希代のスーパースターは新天地でどのような境遇に置かれることになるのか――。エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平選手(29)がドジャースと契約することが決まった。

 大谷自身がインスタグラムで9日(日本時間10日)に発表した。代理人事務所のCAAによれば契約は10年で総額7億ドル(約1015億円)となり、これは個人としてプロスポーツ史上最高額での契約。MLB公式サイトや「ESPN」など、あらゆる米主要メディアが詳報する中、米スポーツ専門局「FOXスポーツ」が同日に「ショウヘイ・オオタニ、ドジャースで変わるフィールド内外の世界」と題した興味深い記事を掲載し、反響を呼んでいる。

 掲載記事では同メディアのディーシャ・ソザー記者が「ロサンゼルスへようこそ、ショウヘイ・オオタニ。あなたのオオタニバブルははじけたばかりだ」と書き出し「南カリフォルニアのチームを渡り歩くロサンゼルス・ドジャースの新メンバーにとって、見慣れたものといえばビーチくらいだろう(実際、海岸沿いのビーチも少し違う)。それ以外のことは、たとえオレンジ・カウンティの住まいから北に50マイル(約80キロ)しか離れていなくてもチャベス・ラビーンでは全く違って見えるし、感じられるだろう。特に10年総額7億ドルという気の遠くなるような契約の始まりにおいて、ロサンゼルスはオオタニが避けようとしてきたあらゆる意味で未知の領域となるだろう」とリポート。

 エンゼルスとドジャースは同じ「ロサンゼルス」をチーム名にしており、大谷にとっては移籍しても〝通勤圏内〟であることはメリットであるとはいえ、これまで味わったことのない〝未体験ゾーン〟に入ることになると指摘した。 

 記事では「シーズン中も、特にフリーエージェントの期間中も、オオタニにとってプライバシーが最も重要であることは分かっていた。しかし、オオタニがドジャースを選んだという事実は、彼が少なくとも、球界最高の選手にとって最も重要であると思われること。つまり勝利のために、その孤独の一部を放棄することを望んでいることを意味する」とも続けられている。

 そして「オオタニはエンゼルスの組織に6年間甘やかされてきた。右肘の手術のこと、ケガのこと、打撲のこと、それ以外のことに関しても、彼は自分の健康状態について秘密主義だった。本当にオオタニはアナハイムで無制限の権力を行使していたのだ。それがドジャースで通用するとは思ってはいけない」とし、新チームのドジャースでは大谷を巡る環境が激変するとも解説した。

 さらにソザー記者は「オオタニのチーム選びはドジャースの勝利至上主義に触発されたに違いない。しかしながらドジャースでプレーしたいという彼の願望が、プライバシーの必要性よりも大きかったことを示している。アナハイムとは異なり、彼はフランチャイズの顔として活躍する必要がある」と断言。さらに「彼が頼れる唯一の平穏と静寂は、人里離れた南カリフォルニアの家の中だけだろう。彼が人前に出た瞬間、大混乱が起こるはずだ。彼のファンはこれまで以上に注目し、待ち望み、求める。そして彼の名声は、良くも悪くも、彼が結果を出せば出すほど高まることになるのだ」との見解を述べている。

 ドジャースに移籍した大谷はプライバシーが保たれていたエンゼルスとは大きく異なり、かつて経験したことのない〝過剰なスポットライト〟との戦いも強いられることになりそうだ。