スーパースターを失ったエンゼルスは虚無感に包まれているようだ。エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)のドジャース移籍が決まった。大谷自身が9日(日本時間10日)にインスタグラムで明らかにし、代理人事務所CAAのネズ・バレロ氏もドジャースとの新契約が個人としてプロスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(約1015億円)となることを公表した。

 西海岸を拠点とする米有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」はこの日、ドジャース移籍によって大谷の退団が確定したエンゼルスと本拠地アナハイムの模様を即座にリポート。「ショウヘイ・オオタニが去り、エンゼルスはロースターの再編成に挑む」とのタイトルで記事を掲載し、同日の17時過ぎにエンゼルスファンが本拠地エンゼルスタジアムに足を運んだ際、それまで壁に貼られていたはずの大谷の巨大ポスターが早々と球団側によって〝撤去〟されていたことで落胆する様子を詳報している。

 記事では「10年総額7億ドルの契約でドジャースに移籍すると発表してから約5時間がたっていた。『オオタニのポスターを最後にもう一度見るために来たんだ』と語ったエンゼルスファンで33歳のレイモンド・ディアス氏はポスターがなくなり、残された光沢のある窓ガラスをただぼう然と見つめながら『彼が去った今、それは公式なものだ』とも続けていた」とも補足。同日は他にも多くのファンが本拠地を訪れ「チームショップを見に行きたかったし、スタジアムの雰囲気も感じたかった」「球場の雰囲気がどんなものか見てみたかったんだ。ただ、大勢の人が写真を撮りながら歩いているだけです」などといった言葉を口々に発し、やはりエンゼルスの地元アナハイムでは大谷のドジャース移籍にショックを受ける人が大半を占めているようだ。

 さらに同紙は「ファンは皆、エンゼルスがこれからどこへ行くのかを知りたがっている」とした上で「ペリー・ミナシアンGMはオオタニの有無にかかわらず、どちらに転んでもアナハイムで優勝争いを続けるつもりであることをすでに示唆していた。ミナシアンはエンゼルスとの契約最終年である。オオタニの移籍によってエンゼルスはまた記録的な年俸を考慮する必要がなくなり、チーム編成を行っていく点で残りのオフシーズンを考えるための柔軟性が少し増した」とも分析。エンゼルスが大谷へ巨額の年俸を払う必要がなくなり、資金に余裕ができることで大型補強に乗り出す可能性を示唆している。また2024年シーズンをもって契約満了となるミナシアンGMがラストイヤーで結果を残すため、これまで低迷していた成績を何としてでも覆そうと「より前のめりになるのではないか」とも深読みしている。

 一方、エンゼルスのジョン・カーピーノ球団社長はこの日、大谷のドジャースが移籍が決まったことに対し「ノーコメントです」と突っぱねたという。