【森脇浩司 出逢いに感謝(22)】2021年のCSファイナルステージ初戦にオリックスのエース・山本由伸に4安打の完封負け。それでもチームにダメージはなく、2戦目に勝てる準備をしようと思っていた。短期決戦なんで勝ちは勝ち、負けは負けで処理しようと。しかし、2戦目もオリックスの継投を打ち崩せず、3戦目は9回までリードしながら同点に追いつかれて引き分けに終わり、1勝もできずに敗退となった。悔しい思い、情けない思い、自責の念にかられましたが、それをチームとしていかに来年につなげていくかでした。
その年のオリックスの吉田正尚(レッドソックス)はかつてのイチローのような存在でした。6回くらいから打順を見て「もう1回回ってくるな」とか、7回の先頭なら2人出れば9回にもう1回来るな、とか。それくらい警戒しないといけなかった。本塁打王の杉本裕太郎やT―岡田もいるけど、その中でも吉田の存在は他球団も脅威に感じていたでしょう。オールマイティーで打点が欲しい時はそういう打撃をするし、四球でも出塁する。山本との投打の柱で、敵ながら素晴らしいタレントでした。指揮する中嶋聡監督も非常に冷静な采配を見せていました。
何としても井口資仁監督を勝たせたい。21年に選手が素晴らしい経験をし、変化成長していった。22年4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)では、3年目の佐々木朗希が完全試合の偉業を達成しました。横から見ていて打球が前に飛ぶイメージがない。真っすぐも走り、変化球のキレもあったし、打者の対応を見ているとあまりにも圧倒していた。真っすぐも変化球もどちらもストライクが取れ、イニングが進んでも前に飛んでいきそうになかった。
そうはいっても点を取らないと勝てないのでこちらはいろんな選手を用意したり、準備をしておかないといけない。結果的にパーフェクトピッチだけど、まずは勝つことを目指す。朗希のデキよりも先に点を取り、中押しし、守りも繊細にポジションを取っていくことを考えていましたね。
朗希は日ごろから特別感がありましたよ。山本由伸が完封したって驚かないし、かつての斉藤和巳だってそうだし、杉内俊哉とダルビッシュの投げ合いなら「今日の試合は2時間15分で終わるな」とかね。カキーンというヒットが2本くらいでポテンヒットかボテボテが2本。4本くらいでお互い何点取るかが勝敗に直結する。繊細かつ大胆に守らないといけないし、攻撃も同じ。そういうことはよく言っていたし、朗希もそう思わせる投手でした。まだ若くてキャリアは少ないけど、ポテンシャルは十分秘めている。何よりスピードとフォーク、本当にすごい。
1年目は二軍の登板もせずに一軍に帯同させ、2年目はCSファーストステージ初戦を任せた。朗希に応じた育成をし、決して過保護ではない。












