【森脇浩司 出逢いに感謝(21)】2021年のロッテは最後までオリックスと優勝争いを繰り広げた。日々変化、成長する選手が頼もしく、それが僕の活力にもなっていました。オリックスの監督の時、ソフトバンクで王貞治監督の代行をしていたころよりしんどかったかもしれません。年下の井口資仁監督に気を使う部分もありますしね。

 監督が何か聞いてきたら答えは持ってるつもりでいたし、僕の方から手助けするようなことはなかったですよ。一手一手が勝ち負けに直結するし、このタイミングではここだけはチェックしとかないとダメだな、これだけは今日のミーティングで選手に言っておこうとか、僕なりに考えて最善を尽くしていました。

 試合が終わるとその日の試合の反省点、今後どうするかというミーティングを重ねる。佳境だからといって監督は冷静だったし、スタイルは変わらなかったですよ。僕は一軍は事前処理、二軍は事後処理でいいと思っています。二軍は失敗を経験として気づくこともあるけど、一軍はその日の結果が優先される。ほっといたら失敗につながることは絶対に手を打たないといけませんから。

 マジックがついたり消えたりのギリギリの戦いになっても選手は特別追い込まれているような感じはなかった。疲れの蓄積はあっても、こういうことを望んでいたこと。「こんなやりがいのある試合はない。準備だけは怠りないようにしよう。ワクワクして挑もう」と勇気づけていましたね。

 僕が任されていたのは守備のポジショニング。それができればシーズンを4~5試合は勝てる。データは頭に入れるけど、頼っちゃダメ。今、投げているウチの投手と打者の相性、打者の現状、インスピレーション、足の動きのある選手かどうか、飛んでくるところにいかにポジショニングを取るか…。
 マジック3で迎えた10月27日の楽天戦に敗れ、2005年以来の優勝は141試合目でついえた。それぞれの悔しさは抑えようと思っても抑えられない。そんな姿を見て「これでまた先に進めるんだ」という思いを強く持ちました。フルマラソンに近いくらいを走り、この悔しさがつながっていくんだなと…。

 2年連続でCSファーストステージが待っている。勝てばまた挑戦できるし、1勝すれば王手になる。勝つための戦略と勇気づけをし、勝負事は先手必勝できるかどうか。そのための準備をいかにするかをやってきたし、優勝できなかったけど、争ってきた。今こそそれを見せつけようという声掛けはしましたね。

 楽天とのファーストステージは初戦に高卒2年目の佐々木朗希が好投するなど1勝1分けで突破し、オリックスとのファイナル初戦は山本由伸に4安打完封負け。向こうはローテの頭から来れるし、負けてもしょうがないとは思っていないけど、連勝は描きにくい。次戦に勝つ確率を高めていくしかない。