広島は18日、阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦(甲子園)に1―4で敗れた。セ優勝を決めた阪神のアドバンテージも含めて0勝2敗となり、早くも厳しい状況に追い込まれている。下克上へ向けて今後の〝ミラクル挽回〟は――。
 
【大下剛史・熱血球論】 オーダーを見てびっくりした。新井監督は、今季100試合に出場し打率2割7分3厘、12本塁打、35打点の堂林と、8月以降に打率2割7分5厘、9本塁打、21打点の末包をまさかのベンチスタートさせ、8番に韮沢を抜てきしたからだ。

 相手先発の村上に対し、昨季のウエスタン・リーグで9打数5安打の打率5割5分6厘とカモにしていた韮沢との相性を重視して起用したのだろうが、その指揮官の期待に応えられず、結果は2打数無安打。本来ならレギュラーシーズンを通して活躍した選手を起用するものだが、奇をてらった策となった。

 就任1年目の新井監督にとってもかなりのプレッシャーはあったと思う。敵地・甲子園での試合で表情は硬かったし、どこかヨソゆきというか、入れ込んでいるように見えた。でもそれを私は結果論で「何をやっているんだ!」とたたくつもりはない。これが新井監督なりのやり方。CSファイナルステージ第1戦にいきなり抜てきしてもらった高卒4年目の韮沢にとっては非常に大きな経験となったに違いない。

 新井監督は、将来のカープのために思い切った手を打ったと考えたい。そんなにプロの世界は甘くないと韮沢自身も痛感したと思う。その悔しさを糧にしてほしい。

 チームは1―4と一方的にやられたが、短期決戦では逆にこういう負け方のほうがむしろ良かった。これで尾を引くことなく、さあ2戦目だ、と気持ちを切り替えていけるもの。次戦からはリラックスした新井采配が見られるはずだ。

(本紙専属評論家)