【グラゼニ球論・金村暁】借金15の最下位でシーズンを折り返した日本ハムは後半戦へむけ、打撃陣の奮起は欠かせません。

 前半戦のラストで10連敗。大失速の原因は打線で、連敗中にあった7試合連続の1点差負けが示すように、接戦を落とす試合が多くなっています。連敗中も2試合を除き投手陣は4失点以下と試合は作っているだけに打線がどれだけ援護できるかは、後半戦も勝敗に大きく関わってくるはずです。

 気になるのはロースコアの展開が続くなか、疲れの見えた相手先発や、中継ぎ投手など終盤の敵の投手陣に対し、ほとんどの打者が何かしらの対応できずに終わる打席が目立つこと。1点勝負の終盤で出塁さえ減っては、策士と言われる新庄監督も、手の打ちようがありません。まずは〝事起こし〟ができる打者が1人でも多く出てくることが欠かせません。

 そのために何ができるか――。現役時代、投手だった私の逆の立場からの視点になりますが、先発なら5回以降は球数が3桁に近づくなか、誰もがそれまでの消耗度を感じながらの投球になります。対打者・打線としても3回り目。それまでの過程を踏まえ、必然的に配球もより慎重になります。そういった相手の心理面を逆手に考えれば、打者も〝やるべきこと〟が見えてくるはずです。

 まず、立ち返るべきは打席での対応です。打席での粘り、ボール球の見極め。連敗中はやはり打線も「何とかしたい」という気持ちばかりが先立ち、ボール球を追いかける傾向が多くの打者にありました。もちろん、狙い球を絞ったうえでの好球必打は否定しません。ただ、投手心理からすると、打席を重ねるほど〝誘い球〟の1球をどっしりと見極められると嫌なものです。追い込んだ後はもちろん、若いカウントでも、そういった1球を見極められると必然、ボール先行となりやすく、攻め方の選択肢も狭まります。

 そういった投手心理を逆手にとった打席を各打者が試合終盤で増やし、結果として単打や四球などでの出塁の数を増やしていくことが、「ノドから手が出るほどほしい1点」を奪うきっかけになると感じます。

 経験の浅い若い選手が多いチームですが、新庄監督は昨年からここまで、ほとんどの選手に数多くのチャンスを与えてきました。そろそろ試合での結果を通じ、取り組みの成果を見せるべき段階です。1点差試合はここまで9勝25敗。投手陣の防御率は先発(3・02、リーグ2位)、中継ぎ(2・64、同1位)と数字でその成果を示しているだけに、後半戦は攻撃陣が〝成長〟を披露することで、この数字を引き戻していくことを期待します。

(本紙評論家)