【赤坂英一 赤ペン!!】阪神・岡田監督、今季一番のドヤ顔だった。

 7日の楽天戦、2点をリードした5回一死一、三塁で小幡に初球セーフティースクイズのサインを出したら、見事成功。ベンチで大喜びしている岡田監督の姿がニュース番組でも報じられた。

 今季、チームの犠打、犠飛、盗塁の数はすべてリーグトップクラス。小技を重視する岡田監督のオーソドックスな野球観がよく表れている。

 前回監督時代(2004~08年)も、岡田監督はこう強調していた。

「当たり前の時は当たり前のサインを出す。送らないといけない場面は、やっぱりバントよ。そこは追い込まれてもスリーバントはさしてるよ」

 しかし、今回のセーフティースクイズは、前回監督時代には見られなかった作戦である。当時は「スクイズはしたくないな」と公言。「投手に3回ぐらいやらしたけど、いっぺんも成功したことがなかったから」だ。

 そう言っていた岡田監督が、47試合ぶりにスタメンに抜てきした小幡にスクイズを命じた。監督生活も3度目を迎えて、また新たな境地に入っているのかもしれない。

 前回監督時代は、相手チームのサインを見破るのもうまかった。これは、当時外野守備走塁コーチだった吉竹春樹の観察眼のたまもの。以前、岡田監督がこう明かしている。

「巨人のサインは、シーズン入ってから4月には大体わかってたね。三塁コーチのサインの出し方にクセがあって、それを吉竹が見つけたんよ」

 しかし、「エンドランのサイン出ました。1球(ボールゾーンに)外します?」と吉竹コーチに聞かれると、岡田監督は首を横に振ったそうだ。

「4月にいくらアウトにしてもしゃあないやろ。相手もサイン変えてくるしな。そやから9月までは外すなって言うてた」

 意外なことに、名将と言われた中日・落合監督にも、それとわかるクセがあった。エンドランのサインを出す直前、いつも口元にニヤリと笑みを浮かべるのだそうだ。

 落合監督は常にベンチの後ろにいるから、阪神ベンチの前にいるコーチが落合監督の顔に注目。走者が出ると、岡田監督が「どや、笑うたか?」と聞く。「笑うてません」と言われたら「もう1球いけ(普通に攻めろ)」。「そんで、『笑いましたー!』言うたら、オレが『よっしゃ、外せー!』言うて、しっかりアウトにしたことがあったな」

 果たしてこれからどんな作戦に出るのか。阪神ベンチの岡田監督から目が離せない。