2代目〝虎のプリンス〟襲名なるか。阪神・前川右京外野手(20)が9日の日本ハム戦(エスコン)に「3番・右翼」として先発出場し、4打数2安打。チームが0―4で敗れた中、自身2度目となるマルチ安打をマークし、レギュラー定着へのアピールに成功した。

 高卒2年目の若虎は先月30日の西武戦(ベルーナ)から一軍初昇格を果たしたばかり。当初は一軍投手陣のレベルの高さに手を焼き結果を残せずにいたが、6日の楽天戦(楽天モバイル)でプロ初安打をマークするとそこから3試合で12打数5安打。大器の片りんを徐々に見せ始めている。

 岡田監督も就任直後の秋季キャンプから前川の非凡な打撃センスに着目。「まだ高卒1年目(当時)なのに大したもんや。バットが素直に出てくる」と早くから称賛の言葉を惜しまなかった。一軍のレベルにも追いつきつつある打席内での対応力も「だんだん低めの球を振らないようになっている。ストライクゾーンの球をしっかりスイングできればいい結果は出るやんか。そら成長してるんちゃうん」と高く評価している。

 ここまでは指名打者として出場していたが、この日は初めて右翼としての先発起用。同日に定位置を争う大卒ドラ1の森下が抹消された一方、背番号58は一軍サバイバルに成功した格好だ。指揮官の方針もあり、ほとんどの選手が固定起用されている阪神打線において、唯一レギュラーが定まっていなかったのが右翼。定位置確保の絶好機が今、訪れている。

 長く「高卒野手が育たない」と指摘されてきた阪神において、高卒3年目の1992年に中堅の定位置を確保し、大ブレークを果たしたのがこの日の敵将・新庄監督だった。

 前川が虎の数少ない〝高卒野手成功例〟である北のボスを上回る、高卒2年目でのレギュラー定着を果たすことができれば…。周囲に与えるインパクトは大きなものとなるだろう。自らの手でつかみつつある大チャンスをモノにすることはできるか。