阪神が7日の楽天戦(楽天モバイル)に11―3で完勝し、2位・DeNAとのゲーム差を今季最大となる6・5にまで広げた。チームが快進撃を続ける中、いまや猛虎名物となった岡田彰布監督(65)の「岡田語録」も日々アップデート。最近では〝岡田AI采配〟を連想させる、あの言葉が注目を集めている。
第2次岡田阪神元年となる2023年、虎党の聖典である「岡田語辞典」に味わい深い新語が追加された。「そらそうよ」「おーん」に続く、その言葉とは――。
「よぎる」
初出は6―3で船出を飾った3月31日の開幕・DeNA戦(京セラ)の試合後囲み会見。8回に4番手として登板したK・ケラーが1回2安打1四球2失点と乱れ、一時2点差にまで詰められたシーンを振り返り「よぎるよ。パッと見たらケラーやったから。よぎるやろ。俺は何にも関係ないけど、そらしゃあないやん。投げてるのケラーやったから、そらよぎるやろ。よぎったよ」。ヤクルトに大逆転負けを喫した昨季開幕戦と同じ轍を踏まずに済んだことに安堵の表情をのぞかせた。
その後も岡田監督は、4月4日の広島戦(マツダ)で試合終盤に追い上げられた際には「去年何回聞いたか。勝ったと思ったら延長なって追いつかれたとか。そんなんばっかりやったから。またよぎった。悪いのがよぎる」。
完全試合ペースの村上を7回で降板させたことが話題となった同12日の巨人戦(東京ドーム)では「初めてやったんで、完全試合のそういうね、継投というのはね、あそこまで投げたら合格点。あとは後ろの勝ちパターンのピッチャーでね。みんなで完全試合いうのを頭によぎったんだね」。
「常に最悪の状況を想定してゲームに臨む、究極のマイナス思考」という指揮官の将棋の腕前は「アマ三段」。頭の中にある豊富な経験に基づく膨大なデータをAIのように参照し、その中から冷静に最善手を指し続ける。よぎるからこそ、危険を察知できるわけで、岡田監督の采配ぶりがよく表れている言葉だ。
3週間ぶりとなるカード負け越しが決まった1日の西武戦(ベルーナ)の試合後は、珍しく語気を強めた。「きょうの負け方はアレやな。今の打線のつながり(の悪さ)を見たらズルズル行きそうな負けやで」。9連勝が終わった直後の2連敗。経験則上の嫌な予感がよぎったからこそ、周囲を引き締めたのだろう。
セ・首位を快走する虎の貯金は現在18。それでもヤクルトに逆転を許した21年も、この日と同じ54試合消化時点で貯金が14もあった。よぎる…。今月1日には「Number」が阪神タイガースの特集号を2年ぶりに発売。よぎる…。
それでもAIのような精度で先を見据える岡田監督なら…いくつもの〝よぎる〟危険を回避してくれるはずだ。












