【柏原純一「烈眼」】阪神・岡田彰布監督(65)は状況によってはさらに〝断を下す〟のではないかと感じている。連敗を止めた11日の日本ハム戦で、スタメン落ちとなった佐藤輝のことだ。

 5月まで打率2割4分6厘、8本塁打、30打点。もちろん、彼の打棒で勝った試合もある。だからこそ、ここまで好不調の波があっても「さぁ、ここから」と期待する声があり当然、私もその一人だった。それが首位を走るチームのさらなる推進力となると思っていたからだ。

 だが、交流戦に入っても状態は上がらず、6月は36打数4安打4打点で打率は1割1分1厘。打率は2割2分2厘まで下降し、9試合で13三振。四球もわずか4と寂しい数字が並ぶ。とくに9、10日の日本ハム戦は、平凡なフライアウトと三振がほとんど、内容のある打席はまったく見ることができなかった。それだけに11日の、約2か月ぶりのスタメン落ちは致し方なくも見えた。

 偶然にも10日の試合前、岡田監督と佐藤輝について、少し話をさせてもらった。3割が一流の打者の世界では、誰しもに好不調の波はあるが、彼の話になり「ちょっと不調の時間が長いですよね? 監督も相当、辛抱されてますよね? 監督がどれだけ辛抱して使ってくれているかを(佐藤輝も)感じていてくれてたらいいですね?」と振ると、岡田監督は「フフフ…」と静かに笑いながらウンウンとうなずいていた。

 そんな話をした翌日のスタメン落ち。「とうとう来たか…」というのが、感想だ。回りくどい表現になったが、端的に言えば、今後は普通に先発を外れることもあれば、このままの状態なら、二軍落ちもあるということ。語弊がある言い方になるかもしれないが、岡田監督のなかで〝特別扱いする選手〟ではなくなったということだ。

 理由は、この手の不調によるスタメン落ちが2度目だからにほかならない。彼は4番で頑張っている大山と並ぶ、球団の将来を背負って立つ存在と考えたからこそ、岡田監督も「何があっても、絶対に外さず1年間使う」とここまで辛抱強く使い続けてきた。一方で、岡田監督は、どんなに素質があったとしても、同じミスを何度も繰り返すようでは、この世界で生き残れはしないことをよく知る監督でもある。13日のオリックス戦以降、何とか奮起し、結果を残す姿を見せてほしい。(野球評論家)