第5回WBCが8日、台湾・台中市の1次ラウンドA組でオランダとキューバが対戦して開幕した。3大会ぶりの優勝を目指す侍ジャパンの戦いは今日9日の中国戦(東京ドーム)から始まる。先陣を切るのは大谷翔平投手(28)で、もちろん投打二刀流での出場だ。体調は「万全」で6日の阪神との強化試合では2打席連続3ランの離れ業を演じており、大谷の、大谷による、大谷のための大会になっても不思議ではない。
1日夜の帰国から1週間。グラウンド上だけでなく、大阪で開催された5日夜の決起集会などでナインと交流を深めてきた大谷は、初出場のWBCに向けた準備を抜かりなく終えた。「バッティングは(強化試合で)何打席か立ったので状態は悪くないと思いますし、向こうでピッチングもしてブルペンも入りましたので、いつも通りやれば試合をつくれるかなと思います」。その自信は揺らぎない。
大谷にせんだって8日の会見に臨んだ栗山英樹監督(61)は初戦の中国戦の先発について「非常に大事な第1戦、大谷からいきます」と明言した。「おっしゃりづらいとは思いますが…」と問われた打順に関しては「おっしゃりづらいですね」と苦笑いだったが、起用法は「打って投げて、その姿をみんなが見たいし、僕も感じている。もちろん投げながら打ってもらいます」と投打二刀流で躍動してもらう考えを示した。
2月28日(日本時間1日)のアスレチックス戦で同学年の藤浪と投げ合い、取材対応を終えると〝飛び出し〟で空港へ移動。乗り込んだのはベッドも付いたチャーター機だったが、帰国後の会見では懸案事項に「時差ボケ」を挙げていた。しかし、3日に名古屋で侍ジャパンに合流するや、4日にはバンテリンドームでのフリー打撃で推定飛距離160メートルの驚弾を5階席に放り込むなど快音を連発。6日の阪神戦では2打席連続3ラン、7日のオリックス戦でも1安打2得点と結果で状態の良さを示した。
「今の自分の100%は出せると思う。実戦は今年初なので正直、どこまで出るのかは分かりませんけど、ある程度いけるんじゃないかなと思います」。体調面に関しても「今までで一番いいんじゃないかなと思っています」と力強く言った。
初出場となるWBCには強い思い入れがある。日本の3大会ぶりVが目標なのはもちろんだが、大会全体が盛り上がり、世界中のファンに喜んでもらうことを望む。今大会は米国代表の主将を務める僚友トラウトをはじめ、スター選手が多く出場することもあり「シンプルにこれで優勝した国が一番強い国という大会になればベスト。そういう選手が出ることで、そういう大会に近づくのは明確ですし、今回いろんな選手が出てくれたのはよかったです」と話す。
自身のインスタグラムで積極的に情報発信するなど、グラウンド外でもファンの心をくすぐってきた。左脇腹痛で出場辞退となった同学年の鈴木(カブス)から「よろしく」と頼まれたヌートバー(カージナルス)や、6日までの実戦で16打数2安打、本塁打なしと結果が出ていなかった村上(ヤクルト)への気配りも欠かさなかった。
1次ラウンドでは65球の球数制限が設定されているが、余計なことは考えていない。「力のある投手が控えているので、まずは一人ひとり、1球1球、1回1回ゼロに抑えることを考えていけば、あとは自分自身がどれだけチームに勢いを与えられるかだと思う」と言い切った。
中国戦は後攻のため、侍ジャパンの戦いは大谷の投球から始まる。「初めてなので緊張するとは思いますけど、いつも通りの自分らしいプレーをまずはしたいなと思っています」。二刀流右腕が野球の歴史に新たな1ページを書き加える。












