新型コロナウイルス禍のプロレス興行としては最多の3万96人(主催者発表)を記録したノアの東京ドーム大会(21日=武藤敬司引退興行)は、PPVでも破格の「視聴数」を記録した。

 PPV中継を行ったABEMAの格闘チャンネルの北野雄司エグゼクティブ・プロデューサーによると「数は言えないですが、プロレスのPPVとしては21日朝の時点ですでに過去最高の数字でした」。推定で10万件以上の視聴数と思われる結果に「PPVをやる上での新たな方法を武藤さんに示していただいた」と話した。

 グレート・ムタがWWEの中邑真輔と対戦した元日の日本武道館大会や、ムタのラストマッチが行われた1月22日の横浜大会、乱入したオカダ・カズチカが清宮海斗をレインメーカーでKOした今月12日の大阪大会を配信。こうした経緯を挙げて「無料で見てもらって盛り上げて、決着が気になる人はPPVで見てもらうという一つのパッケージができました」と手ごたえをつかんだ。

 これを聞いた武藤からは「アメリカは35年くらい前からそうだぞ」と言われたというが、北野エグゼクティブ・プロデューサーは「武藤さんに0を1にしていただいた感覚です。本当に感謝しています」。希代の天才のラストマッチは、今後のプロレス配信にも影響を与えそうだ。