阪神が20日のクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ第3戦で中日に0―2と敗れ、今季の終戦を迎えた。就任5年間でリーグ優勝1回、4年連続で優勝争いに参戦した岡田彰布監督(50)は、ついにタテジマのユニホームを脱ぐ。その岡田監督が本紙の取材に答え、最後に万感の思いでフロント改革を緊急提言した。虎ファンよ、フロントよ、名将が激白した“さらば阪神、真の常勝チームを作り上げるために――”を聞け!

【編成部門へ】スカウトは将来のリーダーになるべき人材を獲得していかないといかんよ。今回の監督選びでも苦労したんちゃうか。「次はこの人しかいない」という人間の名前が出てこないやろ。指導者になるべき世代に人材がいない。

 特にオレの世代の前後の阪神OBで、他球団でコーチをやっている人間はあんまりおらんやろ。そういう人材を獲ってないからよ。大学でキャプテンをやっていたとか、そういうリーダーシップを持った人間を獲得しておかんと、これからも人材難に苦しむことになるで。やっぱり監督いうのは外様よりも生え抜きで、球団の事情をよく分かった人間がやるのが一番いいと思う。だからチームリーダーや指導者、監督になれる資質を持った選手を獲って、自分のところで育てていかないとあかんよ。

【営業部門へ】ユニホーム組に対して「こういう企画がありますよ」とか「イベントに協力してください」と、もっと積極的に言ってこないとあかんと思う。何か遠慮してるんよな。「断られる」とか「こんな企画に協力できるか」と突き返されるのを怖がっているんかな。

 確かに昔は選手は野球だけやっていればいいということもあって、協力的じゃなかったかもしれん。でも今はそんな時代ちゃうやろ。選手もファンサービスに協力していかないといけない。それなのに全然企画がこないから、こっちが心配になって「こういうのをやったらどうや」と提案するほどやんか。そんなんじゃあかん。まずこっちに話を持ってきて、そこからできるかできないかを話し合えばいいんよ。

【連盟担当者へ】もっと会議とかで、どんどん発言してもらわんと他球団からなめられてしまう。もう実力や人気は12球団でもトップクラスになったんだから、ウチが球界を引っ張るぐらいの気持ちがあってもいいんちゃうか。それだけの発言力、影響力もあっておかしくない状況やろ。

 でも相変わらずおとなしくしているから、他球団から軽く見られたり、ウチにとって都合の悪い方向に話が進んでしまったりするんよ。勝つためには、こういうところでの不利もできる限りなくしていかないとな。

【その他】全体的にフロントがおとなしいわな。もっと堂々としていればいいんよ。例えば遠征先でコーチに話がある時に、フロントの管理職の人間がわざわざコーチの部屋に出向いている。これは違うと思うで。フロントがチームを管理しているんだから、自分の部屋にコーチを呼べばいいんよ。今はフロントの幹部も若返っているし、電鉄本社から来ている人間がやっているからこうなっている部分もある。現場にかかわる部門の部長なんかは、60歳ぐらいの選手上がりの人にやらせればいいんよ。そうすれば選手も言うことを聞く。昔の管理部長なんか門限を破った選手をきっちりとチェックして、遅れた選手を殴り飛ばしてたもんよ。これぐらいの厳しさがあってもいい。

 かつて「オカダの考え」を聞いた久万俊二郎元オーナー(87)は「もし監督がしんどくなったら、球団社長をやったらええ。その方が阪神が強くなる」と言ったという。名物オーナーをしてここまで言わしめた「常勝軍団への道」は以上の通りだ。

 岡田監督は自らが指揮を執った5年間を「100%じゃないけど目指したチームになりつつある。ただ今年、去年、一昨年と優勝争いしたけど勝ち切れんかったのは、まだ足りないところがあるんやろな。もう少しプラスアルファがあれば、もう一つ上に行ける」と総括し、次期監督に内定している真弓明信氏(55)に常勝軍団づくりのバトンを渡した。