巨人の原辰徳監督(64)が6―1で勝利した11日の中日戦(バンテリン)後、中田翔内野手(33)を第91代の4番打者に就任させた理由を明かした。

 球場がどよめいた。試合前に「4番・一塁、中田」がコールされると、巨人ファンだけでなくバンテリンドームの竜党からも驚き交じりの歓声。なかなか長いトンネルから抜け出せずにいた主砲の岡本和と入れ替わる形で、打撃好調の中田が4番の座に座った。

 序盤から大役を果たした。初回二死三塁でこの日1打席目を迎えた中田は、相手先発・松葉の投じた128キロのチェンジアップをうまくはじき返してセンターへ。先制適時打で主導権を奪った。安打こそこの1本に終わったが、守備でも好守を連発して存在感を発揮。移籍後では初、自身にとって2021年6月8日の阪神戦(札幌ドーム)以来となる429日ぶりの4番も難なくこなしてチームの勝利に繋げた。

 それでも中田は「4番は和真の席なんで、和真が戻ってくるまでみんなでカバーしながらやっていくことだけです」とあくまで「代役」であることを強調。「4番はチームの勝敗を分けるところなので、うまくいかなければ4番を外されることもありました。でもそこは自分を信じてやるしかないので、これまでも自分を信じてやってきました。いつも通りのことをやるだけです」と過去の経歴を振り返りながら改めて意気込んだ。

 一方の原監督は「(初回の攻撃の)流れは良かったですね。(好守備も)非常に存在感がありますね」とまずまずの手応え。一連の采配は悩める岡本和へのカンフル剤とも推測されるが「まあ、叱咤激励するほど余裕はないんだけど(笑い)。やっぱり(4番に)置くことも大事なことだけどね。(岡本和)本人がその(復調への)ステップにしてくれないとね。それをいい材料として捉えてくれることを願うばかりですね」と語るにとどめた。

 新たな4番として実績豊富な先輩・中田が存在感を発揮している間にも、岡本和の復調が待たれるところだ。