【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】DeNAが念願達成を目の前に引き寄せる白星を挙げた。23日の阪神戦(京セラ)に勝利し、破竹の7連勝。首位・ヤクルトとの4ゲーム差は変わらずも、今季の虎との対戦成績を12勝8敗とし、5試合を残し9年ぶりのカード勝ち越しに王手をかけた。

 京セラドームの左翼5階席の一角に陣取ったベイスターズファン。完全アウェーでの声援にナインが応えた。今季0勝3敗と苦手にする先発・青柳を3イニング連続得点で序盤に攻略。援護を受けた先発・今永から4投手のリレーで零封勝利と完璧な試合運びだった。

 ベイにとって阪神への苦手意識払拭は長年のテーマだ。1998年を最後にリーグ優勝から遠ざかるチーム再建も、そこにかかっていると言っても大げさではない。

 ここ20年間で阪神には18回の負け越し。特に2003年は16連敗を含む6勝22敗という一方的な数字で、星野阪神の18年ぶりリーグVに“貢献”してしまった。

 16年から20年の5シーズン、指揮を執ったラミレス前監督は「阪神は意識しない。他のチームと同じ。1チームを意識すると他に足をすくわれるから」と話してはいた。だが、実はかなり意識していた。

 19年、6勝差で巨人に次ぐ2位だったシーズンも阪神には8勝16敗と大きく負け越した。CSでもファーストステージで阪神に屈した。翌20年の沖縄・宜野湾キャンプでは、評論で訪れた阪神OBを監督室に招き入れ敵情を逆取材したこともあったほど。それでも在任期間すべてで負け越した。

 ただ、流れは変わりつつあった。ある球団スコアラーは言う。「プロなので力は紙一重です。でも、終盤まで我慢を続ければ、自分でズッコケてくれたチームが昔のベイでした。ただ、今は違う。阪神もそれを感じているはずですよ」と。

 昨年、就任した三浦大輔監督は現役時代、対阪神46勝(球団史上最多)32敗の虎キラーだ。FA権を獲得したときには阪神からラブコールも受けたが横浜愛を貫いた。昨年は阪神にも負け越し、リーグ最下位に甘んじたが今はヤクルトと優勝を争っている。

 横浜スタジアムでの連勝を17とし大阪に乗り込んできた。敵地でも勢いは変わらなかった。本拠地15連勝以上のチームは過去に7度あるが、V確率100%というデータもある。今、三浦ベイに風が吹いている。

 ☆ようじ・ひでき 1973年生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、ヤクルト、西武、近鉄、阪神、オリックスと番記者を歴任。2013年からフリー。著書は「阪神タイガースのすべらない話」(フォレスト出版)。21年4月にユーチューブ「楊枝秀基のYO―チャンネル!」を開設。