星野流継承で投手強国となるか。

 16年ぶりに古巣復帰した中日の落合英二ヘッド兼投手コーチ(52)が、3日に一部主力を除く17投手に紅白戦の登板権利をかけた「ストライクテスト」を実施した。直球のみ10球を3セット投げさせ、どれだけストライクを取れるか競わせるもの。結果は岡野(25球)、高橋宏(24球)、上田(22球)以外は20球以下で、落合ヘッドは「最低限は7割、21球は超えてほしいと思っているが、3人しかいなかったのは非常にさみしい」と落胆を隠せなかった。

 下位5人は実戦形式の〝追試〟があるものの、そこでも内容が悪ければ二軍降格となる。この日の本番前には何十球も肩慣らしを行う投手もいたが、事前に告知していたにもかかわらずキャンプ初日から2日間のブルペンを見る限り「誰一人その練習をしている投手はいなかった」(落合ヘッド)。変化球を多めに投げている投手も見受けられたそうで「3日目のテストをクリアしないと変化球を投げる機会もないのに、そのへんの考え方がどうなのかな」と同ヘッドは首をかしげた。

 昨季の中日はチーム防御率3・23で12球団トップだったが、リーグ5位に沈んだ。打線の援護に恵まれなかった面はあるにせよ、大事な場面で失点し、勝てる試合を落とすケースも多々あった。キャンプ第1クールから一軍生き残りをかけた競争をさせるのは、プレッシャーのかかった場面で本来の力を発揮するメンタルを鍛えるため。その手法こそ星野イズムの踏襲だと指摘するのは、元中日で本紙評論家の前田幸長氏だ。

「星野監督は先頭打者や二死走者なしからとか意味のない四球には本当に厳しかった。だからどんなプレッシャーがかかる状況でも直球でいつでもストライクが取れる技術を身に着けようと練習してきた。落合ヘッドも根底にあるのは星野さんの教えだと思う」

 ここ10年の中日は12年2位、20年3位とAクラスは2度だけで、今やBクラスの常連となっている。打線はもちろん、投手のレベルアップも欠かせない。「やっぱり軸となるのは直球。最近の若い投手は100点の球がないのにチェンジアップだ、スプリットだと変化球にすぐ飛びつく。20点のボールをいくつも覚えるぐらいなら、とにかく直球を磨けということだと思う」とは前田氏。11年ぶりのリーグ優勝に向けて、克服すべき課題は多い。