人気女子プロレス団体「スターダム」の安川惡斗(あくと=29)が23日の東京・後楽園ホール大会で現役を引退することが30日、本紙の取材で明らかになった。“凄惨マッチ”として世間を騒がせた世IV虎(よしこ=22)との一戦(2月22日、後楽園)で負った目の負傷が原因で、1日に会見を行い正式に引退を発表する。これで6月に引退した世IV虎に続き“凄惨マッチ”の当事者2人がリングを去ることになった。

 ――ここ数か月で引退を示唆する発言があった

 安川:12月23日の後楽園大会で正式に引退します。私は引退するためにリングに戻ってきたようなもの。(9月23日の後楽園大会で)復帰する前にドクターストップがかかっていて、復帰もできないままフェードアウトかな?と思ったこともあった。網膜しんとう症の方は回復しましたが、眼窩底を骨折した左目の視力が落ちてしまったんです。

 ――左目の窩底骨折と両目の網膜しんとう症は世IV虎戦で負った

 安川:もともと右目は白内障で見えず、昨年夏に人工レンズを入れた。少しだけ立体的に見えるようになったけど弱視なのは変わらなかった。ずっと左目に頼っていたんですが、その左目が折れてしまい、視力と距離感が残念ながらうまく戻りませんでした。

 ――試合に影響も

 安川:相手の技を受けることができない。もうバチバチとした対抗戦をしたり、シングルのベルトが取れるレベルの視力は持ち合わせていない。相手をケガさせてしまってから「目が見えませんでした」ってなったら大問題じゃないですか。引退することがスターダムへの一番の恩返しかなって思った。

 ――結果的にあの試合が引退につながった

 安川:結論からそうなってしまったのは仕方ない。本当に偶然と偶然が重なったので…。骨が折れてしまったこと自体は事故に等しいものでもありますし。ならば次はどうしたらいいかって気持ちを切り替えることができる人間なので、今は次のことを考えています。

 ――6月14日に世IV虎が引退。これで当事者2人がリングを去る

 安川:本音を言えば彼女にはリングに戻ってきてほしい。他人の人生に口は出さないつもりでいたいけど、プロレスを大好きだってことを知ってるし(22歳と)まだ若いから。私がいると帰ってきにくいのかなって思う部分もある。いつか「和解」とかあればいいんだろうなと思います。

 ――約4年の現役生活を振り返って

 安川:感無量ですよ。「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」の時代劇を見て思った幼いころの夢「サムライになりたい!」をかなえられましたからね。あこがれの(愛川)ゆず季さんも倒したし、白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)も取った。自分のしたかった2つの目標も達成できた。応援してくれたファンにも「ありがとうございました」って伝えるのが、12月23日の大会だと思う。 

 ――引退後は

 安川:何かしらの形でスターダムを支えていきたい気持ちはあります!

☆やすかわ・あくと=本名・安川祐香。1986年11月13日生まれ。青森・三沢市出身。日本映画学校を卒業後、女優として活躍。舞台で出会った愛川ゆず季の影響でスターダムのプロテストを受け、2012年2月5日新木場大会のはるか悠梨戦でデビュー。今年2月22日の世IV虎戦で重傷を負い長期欠場。9月23日後楽園大会のタッグ戦で復帰。162センチ、57キロ。