〝鷹のラオウ〟となって来季こそ暗闇から抜け出せるか。2018年に全試合出場を果たし、打率2割7分、22本塁打とブレークしたソフトバンクの上林誠知外野手(26)は、今季を含めて3年連続で打率1割台と低迷。プロ9年目となる新シーズンに向けて「お父さんみたいな感じ」と信頼する藤本新監督のもとで、完全復活を期している。

 レギュラー定着を期待された19年に4月中旬の試合で右手甲に死球を受け、同月下旬になって右手薬指のはく離骨折が判明。そこから右肩上がりだった野球人生は暗転した。

 今秋キャンプではレギュラー返り咲きに向け、長谷川打撃コーチと打撃の形を固めた。打撃コーチ時代からよく知る藤本監督も「あいつは表に出さないだけで相当悔しいはず。十分に力は持っている。発揮できていないだけ」と巻き返しに期待している。

 当の本人はどう受け止めているのか。「ああだこうだ言っても仕方がないので」と切り出し、こう続けた。

「藤本さんは一番長く一緒にやってきた人。一番理解はしてくれていると思う。監督というより、お父さんみたいな感じなんですけど。藤本さんも就任1年目で不安もあると思う。何とか恩返ししたい。(オリックスの)杉本さんじゃないですけどね。中嶋監督と一緒に上がって頑張っていたのを見てたので。今年を見ても攻撃の部分が落ちている。経験はしてきているのでチームの力になりたい」

 藤本監督の就任以外にも大きな刺激があった。広島・鈴木誠也外野手のポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦表明だ。かつて自主トレをともにした間柄で、上林は1歳年下ながらライバルと目して強く意識していた。

「一緒に自主トレをやっていた人に、これだけ差をつけられたというか。自分も早く追いつけるようにしたい。同じ舞台で戦いたい。日本一の選手にならないと挑戦する権利はないですし、そこにたどりつかないといけないと思ってます」

 藤本監督と鈴木誠也への思い。王球団会長も大きな期待を寄せる上林の覚醒がチームの常勝復活への近道なのは間違いない。