レッドソックスが今夏のトレード市場で〝買い手〟に転じる模様だ。31日(日本時間8月1日)のトレードデッドラインを前に、チーム周辺では主力のアレックス・ブレグマン内野手(31)やアロルディス・チャプマン投手(37)の放出がささやかれていたが、ここにきて複数の米メディアが否定的な見解を示し始めている。

 米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン記者は同局番組「パット・マカフィー・ショー」に出演し、有力筋から入手した情報を基に「チャップマンもブレグマンも、どこにも行かない。レッドソックスには2人のスーパースターのどちらかをトレードに出すという考えもないだろう」と指摘。その上で「むしろレッドソックスはトレード期限に売り手ではなく買い手として動く。10月のポストシーズンで上位進出を果たすために、チームの競争力を高めようとしている」とも続けている。

 確かにここにきてレッドソックスは快進撃を続けている。世界一に輝いた2018年以来となる破竹の10連勝を達成し、ア・リーグ東地区3位(14日時点)。貯金も8に伸ばし、2位ヤンキースと1ゲーム差、首位ブルージェイズにも3ゲーム差と肉薄している。

 オフに3年総額1億2000万ドルで加入したブレグマンには今季終了後のオプトアウト(契約破棄)条項がある。1年契約のチャプマンとともにトレード要員とも目されていたものの、チームは「白旗」どころか「本気モード」に突入し、やすやすと貴重な戦力を手放せない状況になった。

 また、吉田正尚内野手(32)の復帰もチームを勢いづけている。地元ボストンでは「ワールドシリーズに進出し、7年ぶりの世界一も十分狙える」との声まで高まりつつあるほどだ。

 米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者も「ブレグマンの放出はあり得ない」とし、その可能性を「身長175cmの記者が215cmのNBAスター、ビクター・ウェンバニャマ(21=サンアントニオ・スパーズ)にダンクを決めるより低い」と断言。その一方でブレグマンには今オフの契約延長交渉が成立しない場合はマリナーズ、タイガース、ブルワーズ、カブスといった球団が動向を注視しているとも一部で報じられている。

 タイムリミットまで半月。いずれにせよレッドソックスは静かに、そして確実にポストシーズンの台風の目となりつつある。