倉野、動きます――。ソフトバンク宮崎春季キャンプ第3クールの12日、A組初のシート打撃が行われた。初の実戦形式の練習を見守った小久保裕紀監督(52)は、ともに無安打に封じた6年目の160キロ右腕・杉山と育成左腕・渡辺佑を高評価。一方で報道陣を前にあえて苦言を呈し、嘆き節が止まらなかった。
口調は柔らかかったが、包み隠せない思いがあふれ出た。「渡辺佑は尾形の代わりに呼んだ。彼にとっては何でもチャンスなので」とここまでは良かったが、本当のメッセージはここからだった。「でもね…、あまり下から良い報告が上がってこないんで寂しいですね。(二軍のB組が)隣でやっていて『コイツはどうしても見てほしい』みたいなのが(コーチ陣から)全然こない」と実情を公開。突き放すように「上は上でぶっちぎって、安泰の地位を築くのが大事でしょうけど、下は下で入ってこないといけない。同じことをやっていても勝てないんでね」と思いの丈をぶつけ「倉野コーチが統括で全部見ているんで、その辺の報告も全部入ってきますけど、なかなか寂しい部分がありますね…」と声を落とした。
キャンプも中盤に差しかかり、B組からの底上げが物足りない。競争原理が働かなければ、チーム強化は進まない。苦笑いを浮かべる指揮官からは、危機感がにじんだ。敏感に反応したのは、倉野信次チーフ投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(49)だった。「実は今日(宿舎に)帰ってから、選手に話をしようと思っています。訴えるものが正直ない。全員とは言わないが、寂しい部分がある。この絶好の機会を逃したくないみたいな。ほんとに分かってるのかなって思うんです。AとBの差は開きますよ…。そんなに甘くないよと、今日話します」。投手陣を集めて緊急講習会の開催を決めた。
悩ましい問題の根幹に何があるのか。「環境で慣れてしまっているのはある。どうしても一軍を経験した人の方が意識は高い。経験してない人は、どうしても意識のレベルは落ちてしまう。全員が全員、悪いわけじゃないけど、やっぱり落ちる。その環境でそういう人たちが集まってしまうと、そういう環境になってしまうんで。これは何とかしたい」。いても立ってもいられなくなり、緊急講習会の開催を即決した形だ。
指揮官がメディアの前であえて苦言を呈した事実は重たい。底上げの春――。常勝再建へ、チーム内競争を活性化させる空気をつくっていく。












