〝プロレスリング・マスター〟こと武藤敬司(59)の引退ロードでトップバッターを務めるノアの清宮海斗(25)が、〝LOVE〟継承に燃えている。

「武藤敬司ファイナルカウントダウンシリーズ」初戦(7月16日、東京・日本武道館)では武藤と一騎打ちで激突する。シングルは過去2敗1分けだが、清宮は「武藤さんとの戦いを経験したいという思いから超えたいという気持ちになったけど、超えられていない。ただ、負けが引き分けになったり少しずつ前に進んでいると思う」と自身のステップアップを実感している。

 当然、最後のシングルは成長した姿を見せつけて勝利を目指すが、清宮には〝別テーマ〟もあるという。武藤については、これまでの対戦から「『敵』や『相手』という感じだけでなく、愛を感じるんです」と明かした上で「これは自分が勝手に感じているだけかもしれないけど、相手へのリスペクトや試合に限らずプロレスに対する姿勢、日々の振る舞い全てに、ここまで愛情を注げるのは武藤さん以外いないんじゃないかって」と力説する。

「プロレスLOVE」は武藤がかねて掲げてきたスローガン。清宮は「近くで接してきて感じたことはプロレスをどこまで愛する姿勢ですかね。自分は苦しく感じる時期もありましたけど、それもひっくるめてプロレス。『プロレス=人生』みたいなことを学んだように思います」と話すように、大きな影響を受けていた。

 そうしたことから、武藤との一戦では「愛をもらってきた分、その愛を自分なりに形にして先に進みたいですね」。一方的な片思いをラストチャンスで実らせるつもりだ。さらに「そういうものは今後も残していきたい」と受け継ぐことにも意欲を示している。

 武藤に「(清宮が)ストーカーになって追い回された」とバラされたこともあったが、清宮は「武藤さんをずっと研究してきたし、追いかけて調べてきた」ときっぱり。若武者なりの〝愛の表現〟とは。最後のシングルで思いをぶつける。