侍ジャパンが生まれ変わる。2017年から日本代表を率いてきた稲葉篤紀監督(49)が東京五輪を最後に退任し、後任に前巨人監督で野球評論家の高橋由伸氏(46)らが候補となっていることが分かった。

 14年に現役を引退して以降、打撃コーチや指揮官として常に日本代表に携わってきた稲葉監督が大きな節目を迎える。本来の任期は昨年までだったが、昨夏の東京五輪が今年に延期されたことに伴い、稲葉監督の契約も1年延長された。

 複数の球界関係者の話を総合すると、稲葉監督の契約が再延長される予定はなく、東京五輪を花道に日の丸のユニホームを脱ぐ。NPBで監督を経験することなく19年の「プレミア12」で初優勝。そして東京五輪での金メダルと、日本球界に多くの功績を残し、新たな道を踏みだすこととなる。

 次に控える国際大会は2年後の23年に予定されるWBC。順調ならば、来年中には予選ラウンドが行われる見込みだ。そこでの侍ジャパンを率いる新たな将として、有力候補に挙げられているのが由伸氏という。長らく巨人のスター選手として活躍を続け、04年のアテネ五輪にも出場。引退後の16年からは巨人監督を3年間務め、現在は評論活動などを通じてグラウンドから一歩引いた視点で野球への見聞を深めている。

 由伸氏が次期監督候補に浮上する背景には、監督経験者の方がよりスムーズにチームづくりを進められる点に加え、稲葉監督の意向も含まれていると伝えられる。

 日の丸を背負い続け、日本代表に貢献してきた稲葉監督は大きな荷を下ろし、侍ジャパンが新時代に突入する。