【宇野勝 フルスイングの掟】中日師弟対談――。最下位からの巻き返しを図る中日のキーマン・大島洋平外野手(31)を元中日打撃コーチで本紙評論家の宇野勝氏が直撃した。大島は他球団からの猛烈なアプローチがあった中でFA宣言せずに残留を選んだ理由、駒大の先輩である森繁和監督(62)への思い、また1月いっぱいでGM職を退任した落合博満氏(63)のことまでぶっちゃけた。
宇野 洋平は今年で何年目になった?
大島 8年目です。
宇野 ということはキャンプ地に入ってくる心構えとか内容はばっちりだね。
大島 今まではキャンプに入ってしっかり結果を残さないと、という気持ちがありましたけど、(今回は)どっちかというと開幕に合わせている感じですね。1月までずっとトレーニングしてたんで、それを野球に変えていくイメージです。
宇野 去年はチームが最下位。でも俺は今年は優勝争いできると思っているんだけど。
大島 そんなにどこも変わらないと思う。結果はあれだけ負けがついたけど、紙一重の試合が何個もあるから、そういうところをしっかり勝っていければ全然上にも行けるチームだと思う。
宇野 洋平と話をしていると常に思っているのは(シーズン)200安打。それは今年も狙っている?
大島 そうですね。まあ1回も届いてないですから(笑い)。
宇野 最高は…。
大島 186ですね。
宇野(残りの)14本が大きいんだよね。
大島 結構、大きいですね。最後のほうになってくると試合数も少なくなってくるし、それまでに貯金をつくっておかなきゃいけない。
宇野 個人もそうだけどやっぱり優勝したいよね。家族に迷惑をかけているだろうから、優勝してオフに家族と旅行に行きたいと思うよね。
大島 本当に今年もですけど1月はほぼ自主トレに行って家にいないことが多いし、ほとんど家のことは何もしてないです。12月ごろまではチョロッとやってたんですけど。
宇野 チョロッとって何するの。
大島 送り迎え。それぐらいです。年末にまとまってグアムには行ったんですけど結局、午前中は練習してたんで。のんびりはしてないですね。
宇野 ところで落合GMが1月いっぱいで辞めたけど、洋平はどんな感じ。
大島 ハハハ(と苦笑い)。
宇野 関係ないか。
大島 関係ない…ん! 関係ない?っていうかやるのは僕らなんで。誰がどうこうでプレーしたことないんで。
宇野 駒大の先輩である森監督になった。やりやすいとかあるの?
大島 別に変わらないですよ。まだ監督という感じが…。試合とかやってないからかもしれないですけど実感があんまりないですね。ヘッドのときから(キャンプの立ち位置も)ずっとあそこ(ケージの後ろ)のポジションにいたから。オープン戦くらいになってからですかね。
宇野 オフはFAせずに残留したけど、森監督になったことも理由の一つ?
大島 それはもちろん。大学の先輩というのもあります。(名古屋が)地元というのもありますね。メジャーと違って日本は生え抜きへの意識が強い。僕はそこにこだわっていきたいというのがあったんで。あまり条件が合わなかったら(残留を)あきらめようと思ったんですけど、何とか「いいかな」というところぐらいまでこれたんで。
宇野 洋平に地元意識は周りの人も持っている。一番ファンが多い気がする。みんな残ってほしいと思っていたと思う。
大島 がっつり名古屋出身という人がいないじゃないですか。やっと去年からナオミチ(堂上)が試合に出だしたけど、ずっと試合に出てたのは僕しかいなかった。
宇野 ファンはヤキモキしていたと思うよ。こういう結果になって良かった。
大島 ハイ! 良かったと思います。
宇野 最後に今年の目標を。
大島 個人的には(シーズン)200(安打)、3割、30盗塁というところは目標にして。もちろんそれ以上を目指し、達成した上で優勝したいです。