出世の準備は着々と整いつつある。広島のドラフト1位ルーキー・黒原拓未投手(22=関学大)が育成を含む同期入団の10選手とともに広島・廿日市市内の大野練習場で8日から新人合同自主トレを開始した。初日はランニングやキャッチボールなどで汗を流し「いよいよ始まったなという気持ち。初日ですけど元気にできるようにという思いでしっかりと出し切った」と振り返った。

 前日7日の入寮を前に大学生にとっては〝大仕事〟の一つと言える卒業論文も片づけてきた。A4サイズの紙に15ページ以上が必要な論文のテーマに選んだのは「プロ野球人気と野球人口の二極化」で「プロ野球の人気は増えているけど、野球をする人は減っている。その二極化みたいな感じで書きました」。渾身の作品は2万字に及び、すでに提出済み。当面は年間を通して一軍に定着するための体力づくりに励むことになるが、野球界の抱えた問題にも高い関心を持っている。

 173センチ、77キロと選手としては小柄ながら、最速151キロを誇るサウスポー。背番号は通算148勝138セーブのレジェンドOB、大野豊氏もつけた24番をもらった。ここ2年は空き番になっていたが、大野氏も「空き番になっているより誰かがつけてくれた方がいい。自分のことも思い出してもらえる。楽しみ」と後輩の活躍を心待ちにしている。