日本ハムの新庄剛志監督(49)が多忙なオフを送っている。21日には国内暗号資産(仮想通貨)取引所「BITPOINT(ビットポイント)」のブランドアドバイザー就任発表会見に臨み「マネジャーがむちゃくちゃなスケジュールばっかり組んでいるので今、ちょっと腹立ってます!」。それでもSNSなどを通じて、情報発信に余念がないビッグボスを、ライバル球団はどう見ているのか――。

 小田玄紀社長とのトークショー形式で臨んだ会見では「まったく意味も分かっていないボクをなんで起用したんですか?」と新庄ワールド全開だった指揮官だが、こと野球になると語気に力がこもった。

 テレビ出演からCM撮影と監督就任が発表されてからここまで、怒涛のオフが続いているが「でも、ボクが(メディアに)出ることで野球を知らない人たちにもファイターズのことを分かってもらいたい。あとはプロ野球をもう一回盛り上げたい。夜は野球のことで(頭が)いっぱいです。いろんなユーチューブの素晴らしい監督の映像を見たりして勉強して、一日を過ごしている。それがまた楽しいんです」。

 また、11月4日の就任会見以降は日々、ツイッターやインスタグラムといったSNSで来季のチーム構想、選手への指示を発信し続けているが、こんな時代の先端を行く〝エンタメ至上主義監督〟を他球団はどう受け止めているのか?

 ある球団の首脳陣は匿名を条件に「野球界のことを考えていろいろ発信してくれていることには素直に頭が下がる」としながら対戦相手としての本音をこう語った。

「端的に言えば、新庄監督は自軍戦力がライバルと比べて劣っていることを冷静に把握している。でなければ4番に本来は1番型の俊足、五十幡を置くなんていう発想は出てきませんよ。戦う方としては、打線の流れの中で4番に足はあるけど、長打力のない打者がいてくれた方が助かる。塁が詰まっているピンチでは一発の危険性のない彼と真っ向勝負すればいいだけ」

 その上で「新庄監督が『自分の中の4番』とする6番打者に関しては1番から5番打者まで、しっかりとその役割を果たせる役者が揃っているからこその6番最強論ではないのか?」と疑問を呈し、ビッグボス流の奇抜な打順構想をこう斬った。

「新庄監督の日本ハム時代には森本、田中賢の1、2番がチャンスを作って小笠原、セギノール、稲葉の手ごわいクリーンアップがいたからこその6番・新庄だった。バッテリーがそこまで神経を使って消耗しながら、ふと息抜きをしたい場所にチャンスに強いクラッチヒッターがいるというのが理想の6番最強論。でも、今の日本ハムには打線の核になる1、2番もクリーンアップもいない。そのピースの不足を冷静に把握しているからこそ、選手の競争心をあおるための内部に向けた〝宣伝〟なんでしょう。戦う側はそれに惑わされてはいけない。日本ハム戦は取りこぼしてはいけない」

 スマホを見れば新庄監督の来季構想が分かる球界の新時代。SNSを駆使しながら新たな球界のスタイルを提案するビッグボスだが、ライバル球団としてもタダで手に入る日本ハム情報から対新庄対策は粛々と進められている。