阪神・矢野監督 大敗の翌早朝に広島駅前で猛ダッシュしていた

2021年12月06日 11時30分

就任4年目に勝負をかける矢野監督(東スポWeb)
就任4年目に勝負をかける矢野監督(東スポWeb)

【取材のウラ側 現場ノート】来年、就任4年目を迎える阪神・矢野燿大監督が6日に53歳の誕生日を迎えた。このオフは悔しく、むなしい気持ちだったに違いない。12球団最多の77勝を挙げながら、僅差で優勝を逃し、CS敗退後にはインターネットなどでその手腕を疑問視する声が噴出した。

 とはいえ、今季は最大でも連敗は4。シーズンの終わり方が残念だっただけで春先から首位を走り、シーズンを最も安定して戦ったのは阪神でもある。

 虎の指揮官は苦しいときほど、自らを厳しく律していた。6月下旬からの約1週間で、最下位・DeNAに初の同一カード3連敗。エース・西勇が1週間で2敗など8日間で1勝5敗1分け。球場では平静を装いつつも、人目を避けて揺れ動く胸中を発散していた。

 甲子園からの移動ゲームで敵地・広島に乗り込んだ7月2日。西勇が2回7失点で大敗を喫した翌3日。まだ始発の新幹線も動いていない早朝だった。スパッツの上に短パン、薄手のパーカを着込み、帽子を目深にかぶった矢野監督は、広島駅の駅前ロータリーで、猛ダッシュを開始。バスの乗り場や駅に続く階段を一段一段、飛ばすことなくすべて、脇目も振らず全速力で上り下り。往復を終えると肩で息をしながら、両手をヒザにつき「あぁぁ~!」と声にならない声を上げていた。

 52歳の昨年の誕生日には、自ら21年のテーマを「挑」の一文字に例えた。多忙を極めるなかでも、時間を見つけては、自分を追い込み“整える”習慣を持つ理由は「自分に自信が持てるから」。逆境のときこそ、さらに厳しく。そうでなければ人を束ねることも、率いることもできない。そんな哲学があるのだろう。

 最終的には日本一に輝いたヤクルトに“すべて”を持っていかれただけに「来年こそ」の気持ちは、12球団のどの監督よりも強いはず。

 ストイックさではどの監督にも引けを取らないだけに、来季は一度もトップを譲ることない“完全優勝”でペナントのゴールテープを切ってやるぐらいに思っているに違いない。(阪神担当・赤坂高志)

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