気遣いの男が海の向こうの元チームメートへのさりげないアシストをしていた。広島の長野久義外野手(36)のことだ。巨人から広島に移籍して3年目。沖縄で行われている一軍キャンプに参加し、精力的に体を動かしている。

 そんな長野のことが2月、韓国球界で話題になった。「イ委員にかかってきた一本の電話 読売仲間がピレラを絶賛」。こんな見出しの記事がネットにアップされたのだ。イ委員とはロッテ、巨人などに所属したイ・スンヨプ氏(44)のこと。

 そして「読売仲間」が長野のことだ。記事によればある日、イ氏の元に巨人時代のチームメートの長野から電話があった。そこで長野が伝えたのは「昨年、一緒にプレーしたピレラは人間性も実力もすばらしい選手」とのことだったという。

 昨年、広島でプレーしたホセ・ピレラ内野手(31)は今年から韓国のサムソンに加入。記事中では、サムソンOBであるイ氏に「(ピレラに)良くしてあげてほしい」とのメッセージを長野が伝えていたとイ氏自身が明かしている。

 巨人時代から、外国人選手に対しても繊細な気遣いをすることで知られる長野。昨季、広島に在籍中も英語やスペイン語を駆使してピレラとは積極的にコミュニケーションを取っていたが、新天地に赴くにあたっても陰ながらサポートしていたとは、さすがというほかない。

 球界一の気配り男が本領を発揮している。