東京五輪の侍ジャパン・野球日本代表候補選手選考へ向けて、阪神・梅野隆太郎捕手(29)の評価がうなぎ上りだ。

 直近の国際舞台、2019年のプレミア12ではソフトバンク・甲斐拓哉(28)や広島の会沢翼(32)らが捕手を務めたが、そうした捕手勢にはない梅野の〝武器〟も注目を集めている。

「打つ方で代打、守りも会沢や甲斐と遜色ないけど、走塁も代走で使えるレベル。『走れる』のは大きな魅力」(侍関係者)

 終盤で1点勝負の場面では、俊足とは言えない捕手が四球や安打で出塁した場合などは、点を取りに行くための「代走」起用が必要となるケースは多々ある。そんな局面でソフトバンク・周東のような俊足走者を送り、得点を挙げることができても、さらに「抑え捕手」を用意しなければならない。それが「守って・打って・走れる」梅野であれば、ベンチメンバー枠をさらに有効活用できるのだ。

 ただでさえ五輪のベンチ入りは24人と、公式戦より4人少ない。野手の人選はおそらく12人前後の見込みで「絶対必要になる控え捕手、代走、守備固めと、たった1人ずつでも枠はすぐに埋まる。先発野手8人が出た後の控えを誰にするか…。その中で捕手で代打、代走が務まるのは12球団見渡しても梅野ぐらい」(前出の関係者)。

 4日に侍の指揮官である稲葉篤紀監督(48)の視察を受けた矢野燿大監督(52)も「タイガースから日本代表の選手が出てきてくれたら、それはすごくこちらとしてもうれしいこと」と猛虎戦士からの選出を熱望している。

 晴れて代表選出となれば、チームにとっても、明るい話題となりそうだ。