広島の主砲・鈴木誠也外野手(26)が本紙の新春インタビューに応じた。昨年は史上4人目となる5年連続「3割&25発」を達成したが、チームは5位と低迷。金メダル奪還を掲げていた東京五輪もコロナ禍により延期となった。そんな無念を晴らすべく燃える赤ヘルの主砲が、野手主将として臨む今季への意気込みや東京五輪への思い、さらにはメジャー挑戦についても〝誠也節〟で語った。


【広島・鈴木誠也 2021年新春インタビュー(3)】

 ――昨オフ自主トレをともにした堂林選手が活躍。今後も年齢関係なく教えていくのか

 鈴木誠 隠したいとか、この選手が良くなったら自分が抜かされちゃうとかっていう意識はない。むしろ、みんな打ってほしい。打った時の喜びは打った人にしか分からないので。伝えられることは伝えてみんなで活躍して頑張りたいなという気持ちは強いですね。

 ――自分の成績よりチーム優先

 鈴木誠 自分の成績ってあんまり考えたことない。それを考えるとダメになることが分かっているので。今年も順位が決まってから3割や本塁打王というのを言われて苦しかった。やっぱり楽しくない。自分の成績ばっかり考えてやるというのは。野球はチームのみんなで一つになってやるスポーツ。チームが優勝すれば、自分が3割乗らなくてもいい。終わったらもちろん悔しいかもしれないですけど、とりあえず優勝できればいい。

 ――なかなかそう思うのは難しい

 鈴木誠 僕、それは(巨人の)岡本もそうだと思うんですよ。自分の成績には納得いってないと思うんですけど、チームが優勝してああやって言えるというのはなんか分かります。あれが5位や6位だと悔しいと思う。

 ――その岡本内野手やヤクルト・村上内野手、DeNA・佐野外野手、阪神・大山内野手ら同世代への意識は

 鈴木誠「すげえな」と思って見てます。すごいっすよ。もともとみんな化け物でしょ。僕なんか全然ですホントに。だからああいう打撃したいなとみんなの打撃を見ていると思いますね。

 ――それとメジャー挑戦についてだが

 鈴木誠 またきた! その話(契約更改の席では)全然してないですよ。ホントにあんまりしゃべっていないんです。

 ――挑戦への思いは変わっていない

 鈴木誠 行ってみたいなというか、挑戦したいなという気持ちはもちろんありますし、タイミングですかね…。タイミングが合ったら行きたいです。もちろん挑戦できる間に。若い間に行きたいので。

 ――巨人・菅野投手もメジャーへ行きそうだが

 鈴木誠 まだ菅野さんからホームラン打ってないのに…。完敗やな…。一本打ちたかったですね。そのために毎年頑張っていたのに一本も打てずに終わってしまう…。この人を打ち崩すためにやってましたからね。悔しいです。

 ――ハイレベルな投手がメジャーにいることもモチベーションになるか

 鈴木誠 だから僕は(メジャーに行っても)打てないですよ…。でも行ってみないと分からない。行ってその人たちしかいないところでやれば、またレベルも上がるかもしれないし、打てないでそのまま辞める可能性もある。そうなったらそうなったでいいんですよ。辞めたらすぐいろんな仕事に就けば。力仕事は何でもあるじゃないですか。僕は下町の人間なので(笑い)。