新庄氏、宮台のトライアウト参加で浮き彫りになった日本ハムの〝機能不全〟

2020年12月11日 21時48分

12球団合同トライアウトに参加した新庄氏。古巣は獲得に動かなかった

 7日に行われた12球団合同トライアウトに参加した新庄剛志氏(48)と、宮台康平投手(25)の存在が、図らずも日本ハムの〝ガラパゴス化〟をクローズアップさせている。

 全盛期の力はもう見込めないとはいえ、そのブランクを感じさせない圧倒的な存在感と本気度でプロ野球ファンが渇望する「スター選手の在り方」を提示した新庄氏。一方で、トライアウト直後に古巣・日本ハムの吉村浩GMが「ファイターズで活躍したころの新庄選手をリスペクトしている。彼がファイターズに残した功績等を考えると、現状では考えづらい」と獲得の可能性を否定したことで、日本ハムファンを中心に失望感が広がった。

 年齢的なハンディに加え、テレビ局と所属事務所がタッグを組み〝新庄復帰プロジェクト〟ともいえる舞台裏の動きがあること。札幌移転直後の3年間で「新庄劇場」と称された華やかな話題の裏側で経験した周囲の苦労等を知るがゆえの判断でもあったのだろうが、それを差し引いても、新庄復帰を渇望するファンの声は無視できない規模に膨らんでいる。

 現役時代は西武の中堅手で本紙評論家の大友進氏(46)も「正直、自分も新庄さんの現役復帰を見てみたいと思った。14年間のブランクがあって、あの状態まで持ってきた本気度はすごい。あの野球に対する情熱こそ、今の若い選手が見習うべき姿勢」とこれに同調した。

 その一方で、新庄氏のチャレンジが浮き彫りにした古巣・日本ハムの危うさについては「あの場に宮台がいたことがやはり不自然だった。言ってはかわいそうだけど、斎藤佑ちゃんや清宮の特別扱いを見ていると〝正当な評価を受けていないこと〟に対する彼(宮台)なりの抗議行動だったのでは」と続けた。

 7日のトライアウトで宮台は三者連続三振の快投を演じアピールに成功。ヤクルトに続き、11日までにソフトバンクが育成での獲得オファーを出していたことが判明し、育成契約で引き留めたい日本ハムと三つどもえの展開に発展している。

 自軍選手ばかりか他球団、アマチュアの有望選手に至るまで選手の能力を多角的に数値化した「ベースボール・オペレーション・システム(BOS)」を日本でいち早く導入し、16年までの移転13年間で10度のAクラス入り、5度の優勝と成果を挙げてきた日本ハム。しかし、17年以降の4年間では3度のBクラスが象徴するように、ソフトバンクをはじめ上位との戦力差が浮き彫りとなっている。

 BOSが〝機能不全〟に陥っている象徴ともいわれる斎藤については「もし密約のたぐいがないのなら、意図的に入力を怠っているのではないか」「この5年間で1勝(7敗)の投手にどんな係数を掛ければ戦力という判断を下せるのか」と揶揄する声が周囲にあふれている。

 新庄氏が北海道を盛り上げていたあの3年間(2004年~06年)は今や昔。あのころのような冒険をやめてしまった日本ハムは、戦力も魅力も失いつつある。