一軍6人が新型コロナウイルスに感染、濃厚接触者、球団独自判断で濃厚接触者と同様の扱いを決めた選手合計10人を登録抹消し、大幅な戦力ダウンを強いられた阪神。3月の藤浪ら3選手に続く2度目の集団感染となった。

 一方、都道県別で最も感染者が多い東京を本拠地に置くヤクルトでは、選手・首脳陣らの感染者はいまだ「ゼロ」。そんなツバメ関係者には、コロナ禍でのペナントレースで全選手に浸透したルーティンがある。

 それは「試合後のクラブハウス定食」。もともとは神宮球場へと通う寮生らがナイター終了後から、帰宅にクルマで約1時間はかかる球団寮がある埼玉・戸田へ帰寮後、睡眠直前に夕食をとることが栄養吸収の側面から好ましくないことから、寮生に限り「神宮で『晩飯』を食べて帰ること」が数年ほど前から規則化している。

 これが寮生にも好評だったほか、山田哲らの他の独身選手や、今季は石川ら家族持ちのベテラン勢などほぼ全員が、神宮でのナイター後は「クラブハウスディナー」をとって家路につくという。

 ヤクルトのチーム関係者は「もともとはコロナだから『みんなが試合後にクラブハウスで食事をするように』となったわけじゃないですけど、今年、その晩飯の最中に『そういえば、ウチから感染者が出てないね?』って話になって、要因ってコレじゃないかって話にもなったんですよ」と明かす。

 神宮は六本木や銀座など日本有数の歓楽街も目と鼻の先。帰り際に「ちょっと寄ってこうかな…」となりがちな立地も、ツバメ戦士には選択肢から消えているという。

 もちろん、それは味もよく、毎日利用するにも飽きない工夫を施されているからでもある。クラブハウスでの食事と言えば、サンドイッチやカレーなどの軽食をイメージしがちだが…。

「いや、ウチは本格的。完全な晩飯。サラダに加えて、一汁三菜は基本中の基本で肉ならば、ミソ焼き、生姜焼き、魚定食もサンマ、アジとか普通の家庭の食卓に出てくるものと何も変わらない。阪神もやれば意外と知らない間に効果出たりするんじゃないかと」とヤクルト関係者も「試合後の本拠地で取る晩餐」をおすすめする。

 アットホームがウリでもあるヤクルトらしい話でもあるが、阪神も今季は本拠地で、寮生や独身選手たちが甲子園で試合後の晩御飯を取ってから家路についている。そこに周囲のナインたちも自然発生で増えていけば…。