「大谷翔平がプレーするのを見たんだよって孫に伝えるんだ」 米地元番記者も熱狂した「BEST SHO TIME」【後編】

2022年01月02日 11時01分

8回1失点、40号を放った8月18日タイガース戦(ロイター)
8回1失点、40号を放った8月18日タイガース戦(ロイター)

 MLBにとって記念すべき1年となった2021シーズン。主役はもちろんエンゼルスの大谷翔平投手(27)だ。投打の二刀流で歴史的なシーズンを送り、満票でア・リーグMVPに輝いた。右腕から101・1マイル(約162・7キロ)の剛速球を繰り出し、バットで飛距離470フィート(約143メートル)の特大弾を叩き出す異次元のパフォーマンスに日米の野球ファンは連日、熱狂。それは記者席も同じだ。間近で目撃した地元紙の番記者たちの最も印象に残っている「SHO TIME」後編をお届けする。

(構成・青池奈津子)

【エンゼルス広報=アダム・チョズコ氏】

 21年は球団始まって以来、日米に限らず世界中から殺到した大谷への取材要請に対応した。印象に残る場面は2つ。一つは8月18日の敵地タイガース戦。「彼は8イニングを投げ、本塁打を打った。どうやってあの試合を成し遂げたのか、いまだに分からないが、多くの人が話題にせずにはいられない、いかに我々が目撃しているのがスペシャルなシーズンかを思い起こさせてくれる」

 2つ目は広報だからこそ目撃できた名場面。史上初の「1番・DH」で先発マウンドに上がった7月13日のオールスター戦の舞台裏での一幕だ。「ショーヘイが、アメリカンフットボールで殿堂入りしたペイトン・マニング氏と出会った時だ。互いに敬意を抱きながら純粋に興味を持っておしゃべりをしているんだけど、私には2つのスポーツ界のスターが出会った特別な場面として脳裏に焼き付いているよ」

 マニング氏は「史上最高のクオーターバック」と称され、スーパーボウルを2度制し、2021年2月にプロフットボール殿堂入りしたNFLのレジェンドだ。そのレジェンドにとっても大谷は特別な存在だった。

【FOXスポーツ・アナリスト=ベン・バーランダー氏】

 熱烈な大谷ファンで知られるバーランダー氏は大学では投打の二刀流で活躍し、マイナーでプレーした経験を持つ。兄はアストロズの剛腕ジャスティン・バーランダー投手(38)だ。「大谷は今年まで存在しなかったフィクションストーリーのキャラクターみたいなもの。僕は将来振り返って、自分の孫たちに、おじいちゃんは彼がプレーするのを見たんだよって伝えるんだ」

 最も印象深い試合に挙げたのは8月18日の敵地タイガース戦。「1番・投手」で先発し、8回1失点、40号を放った。「今季の大谷をまとめて見せた試合だったよね。すごかった」とした。

 さらに4月6日の本拠地アストロズ戦も忘れられないという。「2番・DH」で出場し、4打数2安打1盗塁だった。「シーズンが始まってすぐ、マイク・トラウトが本塁打を打った時に二塁にいたショーヘイが『バイバイ』って。あれ、最高だったよね」とうれしそうに伝えた。

 初回一死に投手内野安打で出塁するとすかさず二盗。直後に3番トラウトが左翼へ大飛球を放つと、振り返って打球を見送りながら手を振るかのように右手を上げた。
 これが打球にバイバイしているように見え、MLB公式サイトの動画コーナーで紹介されて、話題になった。

【エンゼルスの実況アナウンサー兼解説者ホセ・モタ氏】

 21年の大谷の活躍を「ポテンシャルの高い若き大リーガーのドキュメンタリーを見ているようだった。どう発展していくのか、見たくて仕方がなかった」と振り返る。

 最も印象に残った瞬間に8月18日(日本時間19日)の敵地タイガース戦でメジャー一番乗りとなった40号を挙げた。

「最も好きなのは40号のショーヘイ。30本塁打はすごいけど、打てるやつらは結構いる。でも40本打てる選手はそういない。しかもピッチャーやりながら。もう別クラス。そして覚えてる? ダッグアウトで肩を振りながら軽く踊るショーヘイ。あれは本当に大好きな瞬間」

 大谷はこの試合に「1番・投手」で先発し、投手では8回を6安打1失点の好投で8勝目を挙げ、8回にダメ押し弾となる40号をメジャー一番乗りで放った。

 10月3日の最終戦(敵地マリナーズ戦)で46号を放ったことは「スリリングなエンディング。(投手、打者、走者)美しく、華麗で、何一つ見逃せなかった。一人の選手がもたらした最もスリリングなシーズンだったね」と評した。

 モタ氏が大谷に期待するのは野球の伝道師だ。

「今や野球を見るプラットフォームがテレビだけでなく、ソーシャルメディアなどもあるから、ぜひ若い世代にも野球を愛してほしい。ショーヘイはまさにその橋渡し役」

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