エンゼルスの大谷翔平投手(26)は4日(日本時間5日)の本拠地ホワイトソックス戦にメジャー移籍後初めてDH制を解除したリアル二刀流の「2番・DH」で出場した。4回2/3を投げ、2安打3失点(自責1)、7三振5四球1暴投だった。バットでは初回に右中間席に2号先制ソロを放ち、3打数1安打1打点だった。

 エンゼル・スタジアムが悲鳴に包まれた。大谷の暴投で1点を失い2点差に迫られた直後、5回二死二、三塁だった。打席には4番モンカダ。フルカウントからの7球目、内角のボールで空振り三振を奪ってチェンジと思われたが、捕手スタッシが捕球できずに振り逃げとなり2者が生還。本塁のベースカバーに入った大谷は滑り込んできたアブレイユと激突しそのまま倒れ込んだ。一度はマウンドに戻ったが、球数が92球と予定の80~90球を越えていたため交代となった。大谷は脚を引きずりながらベンチに戻った。

 球団は「交代はケガによるものではない。一般的な痛みはあるがケガではない。明日様子を見る」と発表した。

 初回、全米のファンの度肝を抜いた。この日は米スポーツ専門局ESPNの「サンデーナイト・ベースボール」の今季第一弾として全米で中継された。2番イートンの5球目にMAX100・6マイル(約161・9㌔)を記録。心配された右手中指のマメの影響を感じさせず1四球を与えたが、無安打1三振で終えた。
 
「SHOTIME」は終わらない。直後に迎えた一死無走者の第1打席。相手先発は右腕シーズだ。初球、外角高めのフォーシームをフルスイング。角度21度で打ち出された打球速度115・2マイル(約185・4キロ)の弾丸ライナーは右中間席中段に突き刺さった。今季2号の飛距離451フィート(約137・4メートル)は自己最長だ。衝撃の一発にエンゼル・スタジアムはどよめいた。日本ハム時代の16年7月3日のソフトバンク戦で「1番・投手」で出場し、先頭打者弾を放った再現だ。

 2回は2三振を奪い11球で三者凡退。3回は先頭ハミルトンに初安打を許し、二盗で無死二塁とされるも後続を抑えた。2番イートンを遊ゴロに打ち取ったカウント1―2からの5球目のフォーシームは101・1マイル(約162・7キロ)を計測。メジャー移籍後の自己最速タイだ。4回は2四球を与えるもアウトは全て三振だった。それだけにもったいない5回だった。

 惜しくも18年5月20日にレイズ戦以来、1050日ぶりの勝利は逃したが、大谷、そして二刀流の凄さは全米に十分過ぎるほど伝えることはできた。仕切り直しだ。