阪神の秋季キャンプが1日から高知・安芸市営球場で始まった。ナインは午前10時からアップを開始し、レギュラー奪取を狙う若手たちはシートノックや細かな作戦を絡めた打撃、守備、個別練習にトレーニングと7時間を超える猛特訓に取り組んだ。

 この日は野手の練習を中心に鋭い視線を送った藤川球児監督(46)も「選手が気持ちに迷うことなく取り組み続ける、愚痴なんか一つも出ない状態で笑顔もありながらやってくれている。もともと持っていきたかったスタイルでもあるし、初日にしては今まででベストかなと思いますね」と手応えを口にした。

 その一方でスタンドの熱気は控えめだった。キャンプ初日が休日の日曜日、さらに歓迎セレモニーも行われるとあって多くの虎党でにぎわうかとみられていた。ところが、内野席にも空席が目立つなど球場周辺も落ち着いた雰囲気。レギュラー奪取を目指して汗を流す若虎たちの熱量とは対照的な光景が広がった。

 例年の休日にはファンが列をつくる売店や飲食店もこの日は閑散。現地では「初日でかき入れ時なのに平日ぐらい少ない」との声も聞かれた。関係者の一人は「閑古鳥が鳴いてしまっていた。スタンドも空席が目立っていて、2年前や岡田さんの時とは大違い」とかつてのにぎわいとの落差に肩を落としてしまうほどだった。

 藤川監督が就任した2024年秋は地元・高知への凱旋も重なり、球場は大盛り上がり。それから2年がたち、来季で3年目を迎える指揮官は球団初のリーグ連覇を達成した。実績を重ねた半面、就任当初の熱狂はひと段落したようにも映る。

 ファンが〝優勝慣れ〟してしまったということなのか…。来季は球団記録を更新する3連覇と日本一奪回に向けた重要なキャンプ。9日には高知市内で優勝パレードも控えているだけに、客足の鈍さは気がかりだ。何かしらの別の要因が重なったと願いたいところだが――。