虎の背中が、また近づいた。巨人は9日の中日戦(東京ドーム)に5―1で快勝。首位・阪神が敗れたため、ゲーム差は2に縮まった。逆転Vへ息を吹き返す中、打線を勢いづけたのが2人の助っ人だった。

 橋上監督代行はこの日、トレイ・キャベッジ外野手(29)を2番、ボビー・ダルベック内野手(31)を3番に据えた。初回一死、キャベッジが中日先発・大野から中前打。前日8日の一軍再昇格後から3打席連続安打とすると、ダルベックも右前打で続き一死一、三塁。4番・大城の中前適時打で先制点をもぎ取った。さらに3回にはダルベックが左翼席へ23号ソロ。5回には2人がそろって四球を選んで追加点につなげ、6回も満塁でダルベックが押し出し四球を選んだ。単に長打を期待されるだけではない。上位で並んだ2人が打線を動かし続けた。

 橋上監督代行も「今日は久々に両外国人を上位で並べた。意外に流れも良かったですし、やはり相手にとってみれば脅威に感じるんだろうなと。非常に効果的だったなというふうには思いますね」と手応えを口にした。

 頼もしさが増す一方、首脳陣周辺にはわずかな気掛かりもあった。チーム関係者によれば「2人とも真面目で熱い性格だし、まさにナイスガイな男たち」。個人成績を前面に出すより、チームの和を重んじるタイプだからこそ、周囲の空気やチーム状態を背負い込みやすい面もあるという。「このピリつく時期でも気負い過ぎずにプレーしてくれればいいが」と心配する声もあった。

 特に来日1年目のダルベックは一時、めまいの症状に苦しみスタメンを外れる時期もあった。それでも4試合ぶりに先発復帰したこの日は一発を含む2打点。繊細さを抱えながらも、勝負どころでは豪快に振り切った。

 シーズンはいよいよ最終盤。12日には東京ドームで首位・阪神との直接対決も控える。重圧が増すほど、2人の長打力は相手にとって不気味さを増す。キャベッジとダルベックのW砲がこのまま打線の芯となれば、逆転Vへの道筋も一気に太くなりそうだ。