さすがに万事休したか…。ドジャース・大谷翔平投手(32)の4年連続MVPが風前のともしびだ。7日(日本時間8日)に打者として5試合ぶりに復帰したものの、投手としては正式に封印宣言。強烈なライバルが独走状態に入った裏では、〝大谷マニア〟の「造反」と米記者の「投票疲れ」まで重なるトリプルパンチとなっている。
左ヒザと右上腕に加え、首にまで変調をきたしていた大谷が「1番・DH」で先発復帰した。スイングの鋭さを取り戻したものの、結果は3打数無安打(2三振)、1四球で64打席ノーアーチ。試合後には今季中の投手復帰について「ほとんどの確率でそれはないと思うので、バッティング、オフェンスに集中したい」と二刀流を封印する考えを示した。
すでにMVPレースでは劣勢が伝えられる。初の栄冠に手をかけているのは、カブスのPCAことピート・クローアームストロング外野手(24)だ。8月29日(同30日)からの2試合で5本塁打の離れ業をやってのけ、この日終了時でリーグ2位の41本塁打。大谷に11本差をつけているだけでなく、あと5盗塁で40盗塁に到達し、2024年の大谷以来、史上7人目となる「40―40」の達成も現実味を帯びてきた。
PCAの優位が鮮明になる中、実はどんな逆風でも大谷を支えてきた最強の〝応援団〟もサジを投げてしまっている。
米放送局「FOX」のアナリスト、ベン・バーランダー氏はYouTubeで「私の認識は間違っていた…。今やPCAこそ私のナ・リーグMVPだ」とのタイトルで〝敗北宣言〟。さらに「私は大谷がMVPだと信じ続けてきました。しかし、今はそうは思いません」と断言し「さあ、言ってしまいました。胸のつかえが取れました。言えてスッキリしました」と晴れ晴れとした表情を浮かべていた。
大谷がライバル不在のMVP候補に挙げられていた最大の理由は、唯一無二の二刀流。バーランダー氏は大谷が当初の予定通り先月末に復帰登板を果たしていれば、PCAに鞍替えすることもなかったという。
しかし、復帰計画は遅々として進まず白紙に戻され、この日の断念表明につながった。バーランダー氏は当初から「ドジャースは彼を(投手として)休養させることにした。復帰のメドは全く立っていない。彼はマウンドに戻れるのでしょうか? 私には分かりません」と疑念を持ち、信じ続けた二刀流の復活が見込めないことで〝大谷推し〟も限界を超えた。
国境や国籍も超えて、エンゼルス時代から大谷にゾッコンだったバーランダー氏が掲げた白旗。さらに別の壁も立ちはだかる。それが投票者たちの〝マンネリ〟だ。
MVP投票には全米野球記者協会(BBWAA)から選出された30人が投票権を持つが、球団専門メディア「ドジャース・ウェイ」などは以前から「大谷翔平の負傷は、ドジャースファンが思っている以上にMVPへの望みを脅かす可能性がある」と「投票疲れ」を指摘していた。
通算4度のMVP受賞(21、23~25年)はすべて満票。しかし、別の有力候補が台頭した以上、あえて大谷に投票しない心理が働く余地は大きくなる。昨年のMVP投票前ですら、敏腕記者のケン・ローゼンタール氏が「投票疲れが理由であってはならない」と呼びかけたほどだった。
〝三重苦〟によってMVP受賞は絶望的。投手として14試合の先発で8勝2敗、防御率1・79、打者として打率2割7分7厘、30本塁打、80打点、OPS0・902という異次元の成績が色あせることはないが、逆転するには奇跡を待つしかない。













