かつて〝虎の出世魚〟と呼ばれた男は、新天地でピチピチの鮮度を取り戻しつつある。DeNA・浜地真澄投手(28)が8日のヤクルト戦(横浜)で0―0の8回から2番手で登板し、1イニングを三者凡退に抑えるパーフェクトリリーフ。チームは1―3で敗れたものの、敗戦の中でも新セットアッパーが11戦連続無失点と光を放った。

 阪神在籍時の2022年にはキャリア最多の52試合に救援登板し、防御率1・14をマーク。虎の勝ちパターンの一角を担ったが、その後はコンディション不良などにも苦しみ成績は伸び悩んだ。24年オフに現役ドラフトでDeNAへ移籍。右ヒジのクリーニング手術、育成再契約を経て今年7月に支配下に復帰すると、あっという間にDeNAの救援陣に欠かせない存在となった。

 そして23試合に登板して驚異の防御率0・79。支配的な投球を支えているのは、ここまで計82人の打者と対戦してわずか1四球しか与えていない抜群の制球力だ。一般に「3・5を超えれば優秀」とされる指標「K/BB(奪三振数÷与四球数)」は何と「14・00」。安定感が際立つ投球で、この日もサンタナ→古賀→オスナと続く燕打線の中軸をたった12球で片づけた。

 球団関係者は今季ここまでの浜地を「カットボールの精度が抜群にいい。ゴロアウトを安定して奪えるし、ファウルを打たせてカウントを稼ぐ球としても機能している」と分析。相川監督も「いつも一番厳しい出番の中で、本当によくやってくれている」と右腕の働きに目を細めている。

 プロ10年目ながら、まだ28歳。虎からDeNAへと海を渡った〝出世魚〟は、一度はつまずいた球界出世街道を再び勢いよく泳ぎ始めている。