勝ち切りたかった雨中の一戦で、あと1本が最後まで遠かった。セ4位・ヤクルトは4日の中日戦(神宮)が延長10回終了後、グラウンドコンディション不良によるコールドゲームとなり、1―1で引き分け。4時間57分の消耗戦を白星で締めくくれなかった。

 右前腕の肉離れで離脱していた高梨裕稔投手(35)が約3か月ぶりに先発し、5回93球を投げて5安打1失点。初回先頭の福永に先制ソロを浴びたが、5回二死満塁のピンチも切り抜けた。「久しぶりの登板でしたが、いい緊張感で投げることができた。次回はもう少し長いイニングを投げられるようにしっかり準備したい」と手応えを口にした。

 離脱前まで5勝2敗、防御率2・73と安定していた右腕の帰還は大きい。池山監督も「彼が抜けてから、少しガタッといったというか。本当に大きな存在」と評価。〝ラストピース〟として期待を寄せていただけに、本拠地での上々の復帰登板は終盤戦へ向けた明るい材料となった。

 一方、今季6勝13敗と苦しむ中日には、これで7戦勝ちなし。しかも先発の高橋宏には今季3勝すべてを献上していた。だからこそ〝天敵〟をたたき、CS争いへ弾みをつけたい一戦だった。しかしながら打線は初回、西村のプロ初本塁打となる同点ソロ以降、9安打を放ちながら17残塁と決定打を欠いた。指揮官は「6回以降チャンスは作ったんですけど、1本が出なかった。ただ力強い打球も出ていたので、日々成長してもらいたい」と奮起を促した。

 残り22試合で、CS圏内の3位・DeNAとは3ゲーム差。ベテラン右腕の復帰という光明を得ながら、勝ち切れなかった痛みは小さくない。23時目前まで雨に打たれた神宮には、喜び切れない不完全燃焼の空気が残った。