待望の救世主は、〝試運転〟なしで10月の修羅場へ放り込まれるのか。ナ・リーグ西地区首位を独走するドジャースに、またぞろ不穏なシナリオが浮上している。2日(日本時間3日)のカージナルス戦(ドジャースタジアム)では延長10回の末に6―8で敗れ、ここ8試合で6敗。82勝57敗で2位・ダイヤモンドバックスには9ゲーム差をつけているものの、盤石ムードとはほど遠い。
大谷翔平投手(32)は同戦で4打数無安打4三振。カイル・タッカー外野手(29)も131試合で打率2割2分7厘、11本塁打、OPS0・679と王朝打線の低迷を象徴する存在となってしまっている。そんなチームが待ちわびるのが、左手骨折で離脱中のアンディ・ペイジス外野手(25)だ。
米メディア「ベースボール・ナウ」は3日(同4日)、ペイジスが左手の手術から約1週間で復帰への道を歩み始めたと報道。ドジャースの地元ラジオ旗艦局「AM 570 LA Sports」のデビッド・ヴァセグ記者によれば、現在は痛みもなく数日中にバットを振り始め、段階的なスイングのリハビリに入る予定だという。
ペイジスは8月21日(同22日)のパイレーツ戦で、ババ・チャンドラー投手の100・2マイル(約161キロ)のシンカーを左手に受けて骨折。週末に第5中手骨へ圧迫スクリューを入れる手術を受け、当初の離脱見込みは4~5週間とされた。それでも今季は球宴にも選出され、128試合で打率2割7分2厘、21本塁打、80打点、OPS0・796。攻守で存在感を示していただけに、10月をにらむチームにとって復帰はまさに待望だ。
ただし、ここからが危うい。同メディアが問題視するのは「戻る場所」ではなく「戻り方」だ。復帰時期が当初の4~5週間という想定通りなら9月18~25日(同19~26日)ごろ。ドジャース傘下3Aオクラホマシティのレギュラーシーズンは20日(同21日)で終了するため、状態次第では実戦感覚を取り戻すためのマイナー出場がほとんど確保できないか、完全に消える可能性がある。
約1か月も公式戦から遠ざかり、しかも患部は打撃に直結する左手。それでも打線が沈んだままなら、ドジャースはペイジスをメジャーの真剣勝負へいきなり〝ぶっつけ本番〟で戻すしかなくなる。同メディアも「選択の余地はないかもしれない」と踏み込み、充実した投手陣だけでは勝ち切れず、得点力の上積みが必要だと指摘した。
地区優勝へ大きく前進しているはずの王者が、10月を前に抱えた皮肉な難題。待ちわびた切り札が、そのまま最大の〝賭け札〟にもなる。ペイジスの復帰戦は、ドジャースのポストシーズンを占う1打席目になるかもしれない。












