MLBで死亡まで〝捏造〟するという前代未聞の不正工作が発覚した。米スポーツ専門局「ESPN」が28日(日本時間29日)に報じたもので、MLBはガーディアンスの有望株、ダビッド・セベリーノ内野手を偽の身元や死亡の捏造にともなう年齢詐称工作で出場停止処分を下したという。

 ドミミカ共和国出身のセベリーノは昨年12月に280万ドル(約4億5000万円)でガーディアンズと合意し、セベリーノが契約可能年齢に達する2029年に正式に完了する予定だった。この契約の際、球団はセベリーノを13歳か14歳だと認識していたというが、MLBの調べでセベリーノの名前と年齢が偽造されていたことが判明。実際は2010年4月2日生まれの16歳だった。

 調査によると元トレーナーのフランシスコ・ニエベス氏が、セベリーノの両親の承認を得て23年に別の身元を作り出したという。セベリーノの本名は「ダウリー・ダビッド・セベリーノ・ダマソ」だが、弟とされる「ダビッド・セベリーノ・ダマソ」として2011年12月20日生まれで偽の出生登録し、医療記録や学校記録もダビッド名義にしたとされる。

 この偽装工作はさらにエスカレートし、2年後にはダウリー名義の死亡診断書が提出され、ダウリーは2012年5月5日に呼吸器疾患で死亡したことになった。首都サントドミンゴから約75マイル(約120キロ)離れたラ・ロマーナの墓地には偽の墓石も設置されたと伝えられている。

 同メディアは「年齢詐欺や身元詐称は国際舞台でまん延しており、特にMLBの偉大な才能を輩出した野球を愛する国ドミニカ共和国では顕著だ。しかし、ラテンアメリカで豊富な経験を持つチーム幹部、スカウト、トレーナーたちは、セベリーノのケースがここまで進行したことに衝撃を受けた」と指摘した。

 この問題を把握した球団は5月にセベリーノとの契約を解除。セベリーノは球団傘下の試合に出ておらず、現在はサンディエゴのアカデミーでジョン・ペレイラ氏の指導を受けている。ペレイラ氏は「偽の出生証明書とかそういう話は聞いたことがありますが、この男がやったことをまとめるのは映画の話です。ドミニカでこんな光景を見たのは初めてです。人生でこんなものを見たことがない」とあまりにも大がかりな不正工作にがく然としたそうだが、再起の手助けをしているという。

 セベリーノは本来の年齢なら来年、契約対象クラスの資格を得られるはずだったが、今回の処分により国際アマチュア契約の資格を得るまで、もう1年間待たなければならない。なお、球団に処分は課されなかったという。