ニューヨークの名門で、かつての球宴右腕が鮮やかな復活を遂げている。米メディア「ヘビー」は27日(日本時間28日)、ヤンキースのポール・ブラックバーン投手(32)が信頼を失いかねない登板を重ねてきたチームの救援陣にあって、ブルペンを支える存在になっているとクローズアップした。同日時点では48回2/3を投げて防御率2・22。先発2試合、1セーブと起用法を問わず結果を残し、複数イニングも任せられる柔軟性が高く評価されていた。

 右腕の復活を語る上で欠かせないのが、メッツ時代の昨年6月2日(同3日)に敵地ドジャースタジアムで迎えたメジャー復帰戦だ。脳脊髄液漏出の手術を乗り越え、約9カ月ぶりに登板。5回3安打無失点、3奪三振と強力打線を封じ、大谷翔平外野手(32)との3度の対決も2三振と二ゴロで3打数無安打に抑えた。最速は90・9マイル(約146キロ)にとどまったが、カットボール、シンカー、カーブ、チェンジアップを低めへ丁寧に集め、大谷のバランスを崩した。

 ただし、そこから一直線に上昇したわけではない。復帰戦後は3連敗を喫し、右肩の故障で再離脱。昨季はメッツとヤンキースで計15試合に登板し、0勝3敗1セーブ、防御率6・23に終わった。メッツから8月16日(同17日)に事実上の戦力外通告を受け、18日(同19日)に自由契約。21日(同22日)に同じニューヨークを本拠とするヤンキースに拾われ、今季も再契約を勝ち取った。

 今季は先発で培った球種の多さと試合をつくる能力を、救援で最大限に生かしている。「ヘビー」が紹介したデータでは、シンカーの平均球速は昨季の92・6マイル(約149キロ)から94・2マイル(約152キロ)へ上昇し、ゴロ率も43・8%から56%台に改善。三振でねじ伏せる豪腕型ではないが、芯を外して早いカウントでアウトを奪い、先発が早々に崩れた場面から接戦の終盤まで穴を埋めてきた。

 27日の敵地ホワイトソックス戦でも8回を三者凡退に封じ、1回無安打無失点、1奪三振。今季成績は37試合で3勝1敗1セーブ、57回を投げて防御率1・89まで向上した。ヤンキースは9―5で勝利して60勝46敗とし、ア・リーグ東地区首位レイズに2・5ゲーム差の2位。故障者が相次ぎ、盤石とは言えない戦いを強いられる中、かつて大谷を3の0に封じて再起へのノロシを上げた苦労人が、今度は名門の屋台骨を静かに支えている。