パ首位のソフトバンクは、22日のオリックス戦(みずほペイペイ)に22―2の大勝を収めた。攻撃陣が今季最多26安打、22得点と爆発。打線が文字通り打ちまくったゲームだったが、先発を託されたカーター・スチュワート投手(26)にとっては気楽に投げられる試合ではなかったはずだ。

 前回15日の日本ハム戦(エスコン)では初回に3四球を与え、3イニング連続失点。3回持たずの乱調に本人が「すべてダメだった」と振り返れば、首脳陣も「今日の投球レベルだとしんどいと言わざるを得ない」と切り捨てる内容だった。それだけに背水の陣で臨んだ前半戦最終登板。結果は今季最長の7回を投げ切って7安打、2失点にまとめて6勝目を挙げた。初回に先制点を献上し、球数が100球に迫った6回に失点したシーンは本人も悔いが残ったはずだ。背水登板でなんとか面目を保った右腕。「序盤から野手の方が大量援護してくれた中でやっと自分の仕事ができた」という言葉には、安堵感がにじんだ。

 2018年のMLBドラフトでブレーブスから1巡目(全体8位)指名を受けながら、身体検査で見つかった右手首の異常を巡って契約合意に至らず、19年にソフトバンクと6年契約を交わして加入。23年にプロ初勝利を含む3勝を挙げ、大型契約最終年となる24年1月には2年総額1000万ドル(約16億3000万円)で契約を延長した。24年に9勝をマークしたが、昨季は故障のためシーズン全休。今季はここまで6勝4敗、防御率5・27と決して満足のいく数字ではない。

 入団時にホークスが描いていたスチュワートの青写真は、最短6年でメジャー球団の垂ぜんの的となること。NPB球団の育成力を世界にアピールすることが「最大の功績」と捉えられていたからだ。もちろんスチュワート本人もNPBで無双し、世界的選手となることを目標に日本の地を踏んだ。この日の白星でNPB通算18勝目。ここまでの足跡に満足している者は誰もいない。

 進路を巡って球界の話題をさらったスタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(21)が今夏のMLBドラフトで得た評価は、マーリンズの8巡目(全体235位)指名。スチュワートの右腕にどれほどの夢が託されているかは、言わずもがなだ。先発陣容が芳しくないチームを救い、自らの未来を切り開く後半戦のパフォーマンスが期待されている。