交流戦の主役は、やはりパ・リーグだった。その中でも西武は14勝3敗1分けで球団史上初の優勝を飾り、圧倒的な存在感を示した。一方、セ・リーグ勢が苦しむ中で踏みとどまったのが、橋上新体制となった巨人だ。セ唯一の勝ち越しで4位タイに食い込み、リーグ再開へ確かな足場を築いた。明暗の分かれた交流戦で、なぜこの2球団は結果を残せたのか。本紙専属評論家の伊原春樹氏が、その背景と今後の焦点を読み解いた。
【新鬼の手帳・伊原春樹】西武は圧倒的な投手力が光ったのはもちろんだが、打撃陣でも若手選手の奮闘が目立った。3年ほど前までは、投手陣が踏ん張っても打線が援護できない試合が多かった。しかし、今年の西武は明らかに違う。
以前から期待していた長谷川信哉は交流戦で打率3割6分7厘をマークし、同期間中の打率部門で首位打者に輝いた。昨年までは一軍に上がったり下がったりを繰り返していたが、辛抱強く起用された成果が出た形だろう。2年目の渡部聖も大きく伸び、滝沢も本格化してきた。ここ数年、我慢して使い続けてきた若獅子たちの才能が一気に花開いたことが、最大の勝因と言える。
FAで加入した桑原の存在も大きい。助っ人選手も今季は当たっており、首脳陣とフロントがうまくかみ合っている証拠でもある。助っ人を含めたクリーンアップが機能しているからこそ、若手選手ものびのびとプレーできる。その相乗効果は非常に大きかったのではないか。
就任2年目の西口監督も、どっしりと構えている。だからこそ、選手たちも安心してプレーできているのだろう。彼は現役時代から肝の据わった男だった。必要以上に動き過ぎず、選手を信頼して指揮を執っている。その姿勢は見事だと思う。
セ・リーグでは巨人が唯一の勝ち越しを果たした。こちらは同一リーグの他球団と違い、投手陣が本当に踏ん張った。エースの戸郷は復活を果たし、井上や竹丸ら若手先発陣も試合を作っている。ここに今後は山崎も戻ってくると考えれば、投手陣にはまだ上積みがある。
一方で、鍵となるのはやはり打撃陣だろう。本来であれば打率3割以上を残しても不思議ではない泉口が、今季はなかなか調子を上げられていない。15日に登録抹消となった吉川も体の不具合があるのか、本来の状態ではないように見える。上位打線を任されるべき選手が下位を打っているような状態では、どうしても打線は回りにくい。センターラインを守るこの2人が、今後の打線の大きなカギを握ることは間違いない。
ただ、伏兵の浦田は面白い存在だ。小技も使え、打席での粘り強さも並ではない。守備も非常にうまく、泉口と吉川にエンジンがかかってくるまでは、彼が重要な役割を担うことになる。岡本がブルージェイズに移籍し、長打力不足が懸念された中、私は開幕前から「助っ人2人が合計で30、40本塁打を打てば穴は埋められる」と言ってきた。キャベッジとダルベックは、そのノルマをクリアするだけの可能性を示している。あとは浦田のように技術が光る選手をどう生かし、どう戦っていくか。そこが巨人の今後を左右するポイントになるはずだ。
(本紙専属評論家)












