ベンチを熱くする〝課題〟が浮き彫りになった。ソフトバンクは27日の巨人戦(東京ドーム)に1―5で逆転負けし、連勝は4で止まった。一軍デビュー戦のアレクサンダー・アルメンタ投手(21)は立ち上がりから制球に苦しみ、3回途中5失点でKO。打線も巨人先発・戸郷から毎回走者を出しながら攻め切れず、3回の山本恵大外野手(26)の右前適時打による1点にとどまった。

 その中で光ったのが、今月15日の一軍昇格後に1番へ定着した正木智也外野手(26)と、2試合連続で5番に入った山本恵だ。正木は10試合連続安打となる3安打。前日26日の同戦で今季初アーチを放った山本恵は、チーム唯一の得点をたたき出す適時打で連日の存在感を示した。敗戦の中でも、2人の働きはチーム内競争を刺激する材料になった。

 試合後、小久保裕紀監督(54)は期待を込めた厳しい言葉を送った。正木には「内容も結果もずっといい。1番の走力はないが、長打がある。初回出塁は(1番で出場した9試合中)6試合かな。十分な役割」と評価。一方で、初回に一塁走者として栗原陵矢内野手(29)の中前打で三塁へ進まなかった走塁には「許せない。コーチにガツンと言ってもらう」と苦言を呈した。山本恵には「出れば出るほどウイークポイントもさらけ出される。そこからが勝負。去年はさらけ出されるところまでもいっていない。打ち続けないと出そろった時に土俵に上がれない」とさらなる奮起を求めた。

 主力の壁が厚いホークスで、若手に席が空く保証はない。結果を残す正木は走塁を含めた「信頼」を積み上げる段階に入り、山本恵は相手に研究されてから打ち返して初めて一軍定着への土俵に立てる。ポジションは与えられるものではなく、奪うもの。黒星の夜に小久保監督が締め直した兜(かぶと)の緒は、2人への期待の大きさそのものだった。