米国・WWEが18、19日の祭典「レッスルマニア42」後に大量解雇を行い、波紋を広げている。

 元WWE女子タッグ王者の〝海賊王女〟カイリ・セイン、元WWEタッグ王者のモーターシティー・マシンガンズ(クリス・セイビン&アレックス・シェリー)、アリスター・ブラック&ゼリーナ・ベガ、ワイアット・シックス、ゾーイ・スターク、アルバ・ファイアら25人がリリースされた。

 世界最大プロレス団体では毎年、選手の入れ替えとコストカットのためとみられる大量解雇に踏み切ってきた。ただ、カイリは祭典翌日のロウに出場し、アスカとの名コンビ「カブキ・ウォリアーズ」でイヨ・スカイ&リア・リプリーと対戦したばかり。イヨ、アスカとの間にあった〝三角関係〟も決着していない中での突然の解雇に、WWEユニバース(ファン)の衝撃も大きかった。

 SNSでは「#WeWantKairi(カイリを出せ)」のハッシュタグをつけて、カイリの復帰運動がスタートしている。複数の米プロレスメディアによると、このハッシュタグは米国でX(旧ツイッター)のスポーツアカウントのトレンド入りを果たし、最高2位に到達。プロレス界の枠を超えて、異例の広がりを見せている

 さらに熱心なファンは署名サイト「Change.org」で「カイリ・セインを復帰させよう」と題し、WWEに再契約を求める署名活動まで開始した。その趣旨には「カイリ・セインがWWEを離れて以来、世界中のファンから惜しまれ続けています」と書かれ、カイリの魅力と功績を紹介。その上で「WWEの幹部には、カイリ・セインの復帰を最優先事項とするよう強く求めます」と、ファンに署名を訴えている。

 そうしたカイリへの反響とは対照的に、解雇された25人の中に、2021年東京五輪レスリング金メダリストの名前があったことはあまり報じられていない。「タイラ・メイ・スティール」は、東京五輪レスリング女子68キロ級金メダルのタミラマリアナ・ストックメンサのリングネーム。東京五輪の1回戦で、16年リオ五輪女子69キロ級金メダルの土性沙羅に圧勝したことでも知られる。
 
 23年5月にWWEに入団。養成機関のWWEパフォーマンスセンターでプロレスを基礎から学び、24年7月には「NXTレベルアップ」での試合に出場した。NXT契約を勝ち取るリアリティー番組「LFG」で優勝を果たすと、昨年6月の第3ブランド・NXTデビュー後はコンスタントに出場していたが、金メダリストは在籍3年で団体を去ることになった。

 五輪金メダリストでもメインロースターにはなれなかっただけに、毎週看板番組のロウに登場し続けたカイリの功績は余計に際立っている。