米国・WWEプロレスの祭典「レッスルマニア42」2日目(19日=日本時間20日)に、〝ビースト〟ことブロック・レスナー(48)が引退を示唆し、プロレス界に衝撃が走っている。

〝ルーラー(支配者)〟オバ・フェミのシットダウンパワーボムをくらい、わずか5分足らずでフォール負け。2000年10月のデビューから25年にわたるキャリアの中で、類を見ない惨敗を喫した。試合後は観念したかのように、グローブとリングシューズを脱いでリング中央に並べた。さらにグローブとシューズに座礼で感謝を示した。多くの関係者やファンが、レスナーはリングに別れを告げたと受け取る出来事だった。

 5万5255人の大観衆も「サンキュー、レスナー!」のチャントで、最高峰王座獲得10度の功績をたたえた。それはかつての仲間も同様だ。現役時代に何度も名勝負を繰り広げ、故アントニオ猪木さんが主宰したIGFのリングでも一騎打ちしたカート・アングルは、自身のX(旧ツイッター)を更新。「愛してるよ、俺の兄弟。君みたいな人は一人しかいない。引退を楽しんで、ブロック」とエールを送り、03年の祭典「レッスルマニア19」でメインイベントを戦った画像も投稿した。

新進気鋭のオバ・フェミ(上)に5分足らずで敗れたレスナー(©WWE)
新進気鋭のオバ・フェミ(上)に5分足らずで敗れたレスナー(©WWE)

 さらに現在はTNA所属のマット・ハーディーも、Xに「もしこれが本当にブロックの終わりなら、ありがとう! 君は史上最高のスポーツ格闘アスリートだよ!」と記し、総合格闘技の最高峰UFCでも活躍したレスナーの功績をたたえた。かつてWWEのリングで、弟のジェフ・ハーディーとともにビーストをパイプイスでボコボコに殴る動画も公開。「ジェフと俺はこれについてはまた謝罪する…」とちゃめっけたっぷりだった。

 一方、レスナー自身はもちろんのこと、団体に加えCCO(最高コンテンツ責任者)のトリプルHも、ビースト引退について公式には何も発表していない。何度も死闘を繰り広げた宿敵の世界ヘビー級王者ローマン・レインズ、引退に追い込んだオバもこの件については言及しなかった。

 SNS上では、ゴールドバーグとジョン・シナの引退試合で対戦相手を務め、1月にはAJスタイルズに引導を渡した〝皇帝〟グンターが、ロウでレスナーの代理人ポール・ヘイマンに「貸しをつくった」などと発言したことから、レスナーの引退試合で対戦を要求するのではないか、と見る向きもある。もちろん何の根拠もないが…それだけファンにとっても引退示唆がショッキングだったということだ。

 果たしてレスナーは、このままひっそりとリングを離れるのか。それとも――。

「WWEレッスルマニア42」はABEMAにて中継された。