米国・WWE傘下のメキシコ・AAAで行われた怪覆面「エル・グランデ・アメリカーノ」同士のマスク剥ぎマッチが、世界中のプロレスファンから大絶賛されている。
 
 5月30日(日本時間31日)の「Noche de los Grandess」で、抗争を続けてきたオリジナルと〝2代目〟のアメリカーノが33分を超える死闘を繰り広げ、最後は2代目がランニングヘッドバットを決めて勝利した。敗れたオリジナルは潔く覆面を脱ぎ、正体はチャド・ゲイブル(40)と判明した。レスリングの五輪米国代表だったゲイブルはルチャ・リブレに敬意を示すと、メキシコのファンは大チャントで支持した。

エル・グランデ・アメリカーノ
エル・グランデ・アメリカーノ

 勝者の〝2代目〟は、正体とされるドイツ出身のルドヴィク・カイザー(35)が決戦直前に隣人男性への暴行容疑で逮捕される緊急事態が発生。暴行の原因はカイザーの恋人でAAAインタビュアー、アンドレア・バサルテとの濃厚なキスを隣人男性がとがめたためと伝えられる。渦中のアンドレアは試合後のリングに上がり、アメリカーノとさわやかなキスをかわし大団円で幕を閉じた。

 大会はユーチューブのWWE公式チャンネルで無料中継され、世界中のプロレスファンから絶賛の嵐。虚実織り交ぜた抗争の末に実現した覆面剥ぎマッチは、早くも「年間最高試合」の呼び声高い名勝負の評価を得た。米プロレスメディアでは、WWEの祭典「レッスルマニア42」(4月19日)のCMパンクvsローマン・レインズ、AEWのPPV「DOUBLE or Nothing」(5月24日)のオカダ・カズチカvsKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)と並ぶ、ベストマッチ候補に挙げられている。

 さらにSNS上で注目されたのはパンク、レインズ、オカダ、竹下がプロレス界を代表するスター選手だったことに対しゲイブル、〝2代目〟と目されるカイザーとも知名度と実績では4人に遠く及ばない点だ。そんな2人がマスクをかぶった途端に、世界中のプロレスファンを引きつける活躍をしたことに驚きの声も上がっている。

 しかもAAAの総合プロデューサーのクレジットにはWWEのCCO(最高コンテンツ責任者)ポール・レベック氏(トリプルH)、元ESPNのリー・フィッティング氏に加えマーク・キャラウェイ氏の名が。キャラウェイ氏のリングネームは「ジ・アンダーテイカー」で、〝怪人〟、〝アメリカン・バッドアス〟として長きにわたって団体を支えてきたWWE殿堂者が、AAAの舞台裏を仕切っているのだ。

 テイカーは今年1月に統一WWE王者コーディ・ローデスのポッドキャスト番組に出演した際、AAAのプロデュースについてこう語っている。「ルチャ・リブレの最高の部分と、私が知る最高の部分を組み合わせ、うまく融合させることができれば、本当に特別なものが生まれると思う」

 その言葉通り、WWEプロレスとメキシコ伝統のルチャ・リブレの融合に成功。テイカーも自身のXに「会場は熱気に包まれていた。世界中が注目していた。歴史が刻まれた」などと投稿し手ごたえありの様子。名勝負を生んだその手腕は世界中のファンから称賛を集めている。