虎の主砲は、いつ目を覚ますのか。阪神は8日のヤクルト戦(甲子園)に2―3で競り負け、首位浮上の好機を逃した。

 先発した新外国人左腕のイーストン・ルーカス投手(29)は5回5安打1失点と試合をつくった。だが、6回の継投策が裏目に出た。2番手でマウンドに上がったプロ2年目の早川が二死一、二塁から増田、赤羽に連打を浴び、試合をひっくり返された。

 打線も初回以降は沈黙した。佐藤輝明内野手(27)の犠飛と木浪聖也内野手(31)の適時打で2点を先制しながら、その後は再三の好機を生かせない。あと1本が出ないまま、接戦を落とした。

 中でも気がかりなのが、大山悠輔内野手(31)の状態だ。この日も1点を追う8回、先頭の森下翔太外野手(25)が失策で出塁し、佐藤も四球を選んで無死一、二塁。絶好の同点機で打席が回ったが、ヤクルト5番手リランソのスライダーを打ち損じ、痛恨の遊ゴロ併殺に倒れた。一打出れば流れを引き戻せる場面だっただけに、甲子園のスタンドからは大きなため息が漏れた。

 初回には先制点につながる左前打を放ったとはいえ、ここまで打率は2割1分6厘と低迷。開幕から全試合で「5番・一塁」を任されながら、得点圏では11打数無安打で打率0割、打点もわずか1にとどまるなど、本来の勝負強さは影を潜めている。

 首位争いを続ける上で、中軸の奮起は欠かせない。だが、ここまでの戦いでは大山が攻撃の流れを止める場面が目立つ。それでも藤川球児監督(45)は「最初の2点だけでは難しいですよね。一つずつチャンスはあるので、相手にプレッシャーをかけることはできますから。あとはもう待つのみですね」と淡々。和田豊ヘッドコーチ(63)も「まだ始まったばっかりだから」とした上で、「状態は上がってきているから、出ると思うよ」と復調を信じた。

 昨季は得点圏打率3割5分1厘を誇った虎の背番号3。その男が、このまま打線の〝急所〟で止まり続けるのか。それとも、ここから本来の勝負強さを取り戻すのか。阪神が上を目指すために必要なのは、大山の1本。その答えが出る日は、もう先送りできない。だからこそ現状を打破する一打が待たれる。