阪神は8日のヤクルト戦(甲子園)に2―3で逆転負けを喫した。勝ちパターンを担う石井、及川を欠く中で継投がかみ合わず、首位ヤクルトとのゲーム差は再び1・5に広がった。
先発した新外国人左腕のイーストン・ルーカス投手(29)は初回に先制点を失いながらも、以降は落ち着きを取り戻した。5回70球を投げて5安打6奪三振、無四球で1失点。圧倒的な内容ではないにせよ、試合を壊さずに役目を果たし、来日初勝利の権利を持ってマウンドを降りた。今後へ十分に期待を抱かせる投球だった。
だが、試合の流れは6回に変わった。阪神ベンチは2番手に2年目の早川を起用。しかし、二死一塁から岩田に内野安打、増田に左前打、赤羽に中堅への適時二塁打を浴びるなど3連打で2失点。わずか1イニングで試合はひっくり返り、ルーカスの白星も消えた。
藤川球児監督(45)は試合後、ルーカスについて「昨年からのことがありますので、先発の経験とかいろいろありますので、次もまた期待というか。年間通して上がっていくと思ってやっています」と説明。さらに逆転を許した早川についても「まだ新しい選手ですから、これからいろんな経験をするとは思うんですけど、また次に強い気持ちでいけばいいんじゃないですかね」と前を向かせた。
指揮官の言葉からは、この1試合だけでなく、シーズン全体を見据えた起用方針もにじんだ。投手陣を長いシーズンでやりくりする上で、無理を避けたい思惑は当然ある。若い投手に経験を積ませたい意図も理解できる。ただ、その設計図はこの日の試合展開とうまく重ならなかった。
シーズン序盤は戦力の厚みで「試しながら勝つ」ことも可能だろう。だが、首位争いが続く局面では、そうした余裕が通じなくなる。育成と勝利の両立は必要不可欠だが、優先順位がぶれた瞬間、足元をすくわれる。ゲーム差が詰まる中で問われるのは、ベンチがどこまで細部に神経を行き届かせられるかだ。藤川監督には、まさにその難題が突きつけられている。












