米国内では、そこまで熱狂していないのではないか――。第6回WBCを巡っては、そうした見方が一部にあったのも事実だ。実際、現地では広告露出の少なさや大会の浸透度を疑問視する声も聞かれ、開催国でありながら〝温度差〟を指摘する向きもあった。

 ただ、その一方で最終的に出た数字は、大会が確実に広がっていたことを物語っている。米紙「ニューヨーク・ポスト」などによると、米国対ベネズエラの決勝は米地上波放送局「FOX」と米FOX系スペイン語スポーツ専門局「FOX Deportes」で中継され、計1078万4000人が視聴し大会史上最多を記録。2023年の米国対日本戦の決勝から一気に128%もの大幅増となり、少なくとも「見られていなかった大会ではなかった」ことをはっきり示した。

 熱の高まりは決勝だけではない。米国対ドミニカ共和国の準決勝も736万9000人を集め、その時点での大会新記録を更新。決勝はその数字をさらに上回った。大会全体でもFOX系3チャンネルの平均視聴者数は129万4000人に達し、英語圏ネットワークでは06年の大会創設以来で最高水準になったという。

 つまり、現地に〝見えにくい熱〟や、米国カレッジバスケットボール(NCAA)など他のスポーツ中継との競技間競争の中で埋もれる印象が一部にあったとしても、WBCそのものの求心力まで否定されたわけではなかった。むしろ終盤に向かうにつれて関心は数字として積み上がり、決勝で一気に可視化された格好だ。

 米国内の受け止め方が一枚岩ではなかったことは確か。それでも最後に残った視聴率は、WBCが米国市場でも着実に存在感を強めている現実を映し出した。大会の価値は、もはや「一部だけの盛り上がり」と片づけられる段階ではなさそうだ。